アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
新学期
-
クラスにつきそれぞれの席を確認し
陽ちゃんが座ってる廊下側から2番目の一番後ろの席に行く。
行くって言っても、
俺の苗字は岡田のために廊下側の後ろからひとつ前で、要するに陽ちゃんの右斜め前だ。
席につくなり陽ちゃんはぼんやりと
眠そうな顔をしていた
常に眠そうな緩い雰囲気を漂わせてる陽ちゃんは気ままな猫にそっくりだと思う
喋り方も柔らかくて真っ黒な髪も、ふわふわしていて可愛い
サッカーを昔からしてるのに冬になると雪みたいに真っ白な肌になるこの綺麗な肌も。
贔屓目なしで見てぶっちゃけ陽ちゃんはかなり美人だ
背も既に178もあり後少しで巨人になるんじゃないかってくらいどこにいても目立つほどのスタイルの良さで
おかげに無口な様に見えて人当たりは優しくて、クールだけど笑顔が可愛いなんて中学校の時にキャーキャー言われてたな…なんてことを思い返す
あと一番厄介なのは……
彼はかなりの無自覚天然タラシってことだ
もっとニコニコ王子様みたいな胡散臭い笑顔を張り付けて「今日も可愛いね」なんて話してたら流石に社交辞令ていどに思うかもしれないけど
ポーカーフェイスの陽ちゃんは思った事をそのまま口に出して褒めるものだから
何度となく陽ちゃんの言葉に顔を赤らめ翌日には陽ちゃんを意識してる女の子を見てきた。
高校生になった今これからもっと陽ちゃんは垢抜けてくだろうし……
それと同じくらいに可愛い女の子と出会って恋をして幸せになっていく
わあああ!いかんいかん!俺はまた!と頭の中の自分だけの会話を打ち消していると
「ハル…百面相…」と本当に寝てしまうような眠そうな声が聞こえた
顔を上に向けると陽ちゃんが机に立て膝をついて枕にしながら、こちら見つめてくる
陽ちゃんの顔と少し緩んだ柔らかい顔が目の前にあった
俺は陽ちゃんの斜め前側の机に手をおいてしゃがんでいたから陽ちゃんの顔と俺の顔はすごい近い
それはもうとてつもなく近い
お陰でホクロがある赤い唇が目前だ
「陽ちゃん…ちゅーしてみる?」
ふと口からそんな言葉が出た
「…ふふ…ハルの唇柔らかそう」
否定なんてしないでおちゃらけるようにして、俺の本気の言葉を冗談だと思ってのってくる陽ちゃんに少しモヤモヤとする
「柔らかいかはわからないから…1回してみる?」
「バカ、誰彼構わずそんなこと言うなよお前綺麗なんだからすぐ本気にされるぞ」
そう言ったあと枕にしていない反対側の右手で俺の額にデコピンをしてくる
そうしながらも今すぐにでも寝てしまいそうな陽ちゃんの閉じかけている目を見つめていた
まつげ長いな〜…てまた、俺は変態か…
どうせ諦めるなら一回くらい事故でもなんでもキスしてみたいなぁ、
なんて不埒な事を考えた自分に少し嫌悪しながらホームルームが始まるまでその安心しきってる寝顔を見つめていた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 227