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新学期
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ホームルームも終わって、
クラスはだんだんと賑やかになる
初めて集まったわけだし皆探り探りだけど
チラホラとグループもできていた
陽ちゃんも、一見冷たそうに見えるけど
それと反して笑うと可愛かったり、意外と人懐っこかったりであっという間にクラスに打ち解けていった
皆と話す陽ちゃんを傍らで観察する
猫っ毛の髪の毛は緩くウェーブがかかってるようで、真っ白な首筋にかかる髪の毛が肌の白さを強調していた
その少し憂いてるような瞳や形のいい綺麗な唇ははっきりと言ってエロいとさえ思う
見惚れていたのは俺だけではなかったらしくて、陽ちゃんが気さくな性格だと分かり集まっていた中にいた男が一人口を開いた
「陽のその口の横にあるほくろ?狙ったみたいにえろいよな〜!陽くん抱かせてー!」
なんておちゃらけたことを口にして
想像通り俺はその言葉に絶句し許さぬっ!なんて憤怒していたが、陽ちゃんは楽しそうに笑っていた
陽ちゃんも陽ちゃんで
「初めてだから優しくね」
なんて冗談を言い返すから俺はまたモヤモヤして
案の定周りの女子は「陽くん可愛いー」なんて騒ぎ出す
俺はそんな陽ちゃんを眺めていると
いつもなんだか少し遠く感じてしまうんだ
俺が落ち込んでいたらふと陽ちゃんの目線とぶつかった
口が何やらパクパクと動いている
なんて言ってるんだ?と俺が目を凝らすと
「ばーか」
って動いてるのがわかった、
あれは間違いない…
人の感情に敏感な陽ちゃんの事だ、きっと俺がさっきから不機嫌なのに気づいてわざと言ってるんだ
気づいてくれる陽ちゃんにキュンっとしたけど放置された分構って欲しくて顔をそらす
………もうちょっと怒ったままでいよ
そしたら陽ちゃん構ってくれるし
なんて事を考えていたけど
その後も解散の号令がかかってもなおまだ陽ちゃんの周りは人が集まって話している
まだまだ時間かかりそう、って思ったとき不意に陽ちゃんが立ち上がると
「じゃあ俺は帰るよ。また明日な」と声をかけて俺の方へと歩いてくる
今からカラオケでも行こーよ!って
クラスメイトから誘いがかかってるなかまた今度行くと伝えると陽ちゃんは俺と共に教室をあとにした
二人並んで静かな廊下を歩く。
まだ他の学年は授業中の為か静けさに包まれている
俺はさっきの陽ちゃんの言葉が脳裏をかすめていて、俺ってやっぱうざいのかなぁ…って後悔と不安がグルグルと渦巻いていた
「ハル〜お腹空いた」
「家帰ったらご飯食べれるんじゃない?」
「…まだ拗ねてるの?」
「え?拗ねてないよ?」
「…はぁ…笑ってるけど違う」
「拗ねてないし怒ってない」
「ハーール、こっち向けよ?」
大好きな人の声で言われると簡単に振り向いてしまいそうだ
仲良くご飯食べよ?!なんて誘いたくなりそうになったのに変なプライドが邪魔してそれが出来なかった
さっき迄拗ねてたのにそんな簡単に向いてたまるか…!
俺はそう思うとぐっと堪えて意地を張った
「ハル〜こっち向かないの?」
「今は無理」
「ふふっ顔赤いとか?」
確信を突かれた俺は、尚更顔が赤くなる
「ハル、首筋真っ赤」
「………陽ちゃん意地悪だよね」
「え?なんで?」
「俺の事はうるさいなのに、他のみんなにはサービスよく話してたり」
「あー…」
「俺の時は眠そうにしてるくせにー!でもまあそれが陽ちゃんだし構わないんだけどさっ」
話してる途中でこれ以上はまずいと思う
こんな事言ったら困らせるだけだと思って半ば無理矢理になーんてねとおちゃらけて誤魔化した
「ごめん、気にしないで!さっ!帰ろう〜」
「それはハルがキスしてみる?とか俺の事煽るから」
「え?」
いつもより低めの声で陽ちゃんが呟く
それに驚いて振り向くとすぐ後ろに陽ちゃんの顔があって
心の準備をしていなかった俺はその距離でさえ死ぬほど緊張してしまう
ドキドキとうるさい心臓の音が陽ちゃんに聞こえないか不審者のごとくオロオロしていた
「なに変な顔してるんだよ…ほら家帰ったらなんでも好きなこと聞くから機嫌直せ」
「えっ、あ…うん?」
驚いている間に陽ちゃんの声も口調もいつもと同じに戻っている
「なんか不満?」
「えっ?!いやいや!ほんとにほんとにほんとに?!なんでも?!」
「ん」
「じゃあ!エッチしよ?!」
「…ちょっと俺お巡りさんのところ行こうかな」
「あああ陽ちゃんごめんねごめんね嫌わないでーーー」
「本当ハルって…とりあえず家帰ろ疲れた」
そう言って自転車にまたがり俺をジト目で見ながら陽ちゃんが先に進む
ペダルを押し出す陽ちゃんの後ろを俺も追いかけるようにして二人揃って家へと帰った
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