アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
遠足_7
-
あの後俺は意識を切り離すようにブンブンと頭をふり落ち着かせて、陽ちゃん達と笑顔で話しながら移動した。
遠足は毎年1年生は仲良くなるきっかけということで、レクリエーションで先生たちが決めた山のコースを歩き皆各自手渡されたカメラで写真をとって夜に作文と共に出すことになっている。
お昼は山頂で食べても木陰になったとこで食べても芝生で食べても構わない。
ゴールした後は最後に自分達で炊事をする事になっていて、料理が出来る場所に集合し各々のクラスに別れて作業に取り掛かりカレーとバーベキューをする事になっている。
最後はキャンプファイヤーをして、
ホテルにまた戻りお風呂をクラスごとに済ませ夜に作文を班長に提出したモノから就寝時間まではまた自由時間だ。
俺達も竹ちゃんに行ってくるねーと手を振って出発しようとすると、竹ちゃんに「お前ら女の子襲うなよ」なんてからかわれ「そんなことしないよっー」と笑いながら見送られた
散歩のコースは大体1時間から1時間半ほどの道のりだがスタートした今がもうお昼前ってのもありお昼を食べてから動くメンバーもせっかくだから山頂で食べよってメンバーもいた。
そんな俺達もせっかくだから上で食べようとなって、山頂まで20分ほどの道のりを歩いていた。
山は木々が生い茂っていて
五月の今はとても気温がちょうど良くて気持ちがいい。
陽ちゃんは花や森みたいな自然が好きだから表情には変化がないけど、心なしかワクワクしてるのがわかる
楓磨も「歩けないー」とか言うかなって思ったけど意外にも、それより龍を引っ張り回して色んな虫を発見しようとしていた
龍は体を動かすのが好きだから楓磨に振り回されても嫌な顔一つせずに自分からも走り回っていたりする
そんな龍と楓磨をこっそりと手渡されたカメラで撮る。
陽ちゃんも撮ろうと思うけど、案の定写真を酷く嫌がる陽ちゃんに拒否られた。
「カメラはやめろ」
「なんで〜流石に一枚も映らないのは怒られるよ?」
「それでもいい」
「…ケチ」
「ハル、撮ってあげる」
「いいでーす、一人で写っても虚しい」
「…ハルやっぱり不機嫌」
「あ、ごめん」
そうだった、さっき勝手にモヤモヤして陽ちゃんに少し意地悪してたんだって思い出して申し訳なくなる
それに陽ちゃんにはどれだけ笑顔で話しかけてもごまかしてもいつも見破られてしまうんだ。
申し訳なくなってしゅんとしていると陽ちゃんから「一緒に映るなら、カメラ向けても大丈夫だけど…」と、本当は嫌な筈なのに我慢して俺に気使ってそう言ってくれる陽ちゃんに胸がじんわりとした。
「陽ちゃんごめん、さっき俺勝手にモヤモヤしててさ。だから陽ちゃんが原因なわけじゃないからそんな無理しないで!今はほんっとに元気だから!」
そう言ってニコニコ笑っているとパシャっと音がなる
「え?もしかして今撮った?」
「…撮った」そう言って少しイタズラに笑う陽ちゃんに仕返しで撮ってやろうとするけど
俺よりも数センチ背の高い陽ちゃんからカメラを奪うことが出来ずに悪戦苦闘していた。
上り坂なこともあって陽ちゃんより倍動いているにしろ俺だけ息が上がり陽ちゃんは全く涼しい顔して俺を見下ろしている。
「あーー!もう腹たった!」そう言って今までで一番陽ちゃんに向かって思い切りジャンプをすると、思いのほか力が入りすぎてそのまま陽ちゃんの胸に「ぶっ」なんて情けない声を出して顔面をぶつけてしまって恥ずかしい
「ハル、勢いが凄すぎ」
「笑わないでよ〜痛い」
「ごめんごめん…はぁ、面白かった…ちょっと見せて?」
そう言って俺の頭を両手で陽ちゃんの手が包み込み優しく強制的に顔を上げられる。
必然と俺は陽ちゃんを見上げる形になり顔もいつもよりもうんと近い
陽ちゃんは気にせず俺の顔に傷がないかを確認しているけど俺は太陽の光がキラキラと反射していつもより透き通ってる陽ちゃんの肌や綺麗な潤んだ瞳に目が向いていた。
陽ちゃん睫毛長いよなー、唇の横のほくろなんてセクシーだし…キスしたいな…
そんな事をぼーと思っていたら、俺の顔を見ていた陽ちゃんの視線が俺の視線とぶつかり絡みあう。
陽ちゃんの目って本当に綺麗だなぁ…なんて思ってると「ハルの目本当に綺麗、光に反射していつもよりもキラキラ光ってる。ガラスみたいに透き通っててハルの心みたい」なんてそんな恥ずかしいことを目を見て真っ直ぐいうもんだから恥ずかしくて目を逸らす。
目を逸らした先に陽ちゃんの薄く形のいい綺麗な唇があり、その横のほくろが再びキスをしたい気持ちを煽ってくる。
そんな惚けるように陽ちゃんの唇を見ていたら、
「俺の口になんかついてる?」と、クスクスからかうようにして聞いてくるものだから慌てて陽ちゃんから少し距離を取る
「ほくろ見てただけ〜」
「…ああ、ほくろね」
「さっ行こ!」
そう言ってかなり進んでる楓磨達に追いつこうとすると「待って」と手をひかれた。
ぐいっと後ろに引っ張られたせいで陽ちゃんの体に俺の全体重が傾き陽ちゃんに支えられる形になる。
なっなっ!今これハグだよね?!後ろから抱きつかれてるみたいじゃない?!と一人であわあわしていたら耳の横から「カメラ見て?」と聞こえた
え?と前を向くと後ろから腕を前に伸ばし
頭上から下に向けて俺達にカメラを向けていた。
「ほらハルポーズは」
「えっ?あっこれでいい?」とピースをすると満足そうに陽ちゃんが笑って陽ちゃんもピースをしたと同時にシャッターが落ちる。
「よし、これでおあいこ」
そう言って俺にカメラを返し一人で先に歩く陽ちゃんの後ろを見ながら今起きた事に胸をバクバクと忙しなく鳴らしていた。
陽ちゃんって…陽ちゃんって!!
ほんとに!!イケメンか!!
なんて心の中で悶絶して楓磨達に呼ばれて慌てて皆の元に駆けていったのだった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
22 / 227