アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
夏が終わる
-
あの揉めた日から二人は一度も顔を合わせず夏休みが終わった
朝から憂鬱なままハルは家を出る
顔は合わせなかったが
連絡は取り合っていた。
単にお互いバイトと部活で会う暇が本当になかったのだ。
それはある意味いい口実になるが
こんなまるまる1ヶ月顔を合わさないのは生まれて初めてのことだった
昨夜明日の朝はどうするか連絡を入れると、
いつも通りの文面で、朝練があるから先に行くと返事が来ていた
――避けられてんのかな〜。
ハルはふとそう考えていた
学校に着いて下駄箱に向かう。
靴を履き替えてると「おはよ〜」と間延びした声が聞こえた
振り返るとそこには、きーちゃんがいる。
「…おはよう………て、きーちゃん?だよね?」
そう半信半疑な問いかけになるほど季波は目を真っ赤に腫らしガラガラの声でハルの前に立っていた
「………ハルうううう…もう男って…バカああああ」
そう泣き出す彼女にハルはオロオロとしてしまう
涙が沢山溢れ落ちていてそんな彼女に少しあの日の自分を重ねてしまった
こぼれ落ちる涙をハルはワイシャツの裾で拭いてやる
そうすると季波は
「…うう…悪いな…」と女の子らしからぬ言葉と声でそうお礼を伝えた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
95 / 227