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離れた距離
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陽に気づいた季波は声をかける
「おはよー!久しぶりだねー、陽くん!わあー結構焼けたね〜!」
「………ああ、久しぶり、やっぱり?少し肌が痛いよ」
そう返す陽は少し季波への対応が遅れてしまった。
その理由はこの距離だった。
いつもなら陽を見つけたハルは陽の元へと飛んでいく。
大きな声で名前を呼びながら犬のように走ってくるのに今日は季波とゆっくりとこちらへ向かってくる。
その埋まりそうで埋まらない距離を今この目の前に見せられてるような気がして陽は胸を痛めた
「…ハル、おはよう」
堪らず陽の方からハルへ声をかける
「おはよー!朝練お疲れ様〜……あっほんとだね、近くで見るともっと焼けたのわかるね」
「…ああ、毎日外だったから」
「きーちゃんと俺は白いねぇー」
「私がゴリゴリに黒かったらそれはそれで嫌でしょうよ!」
「あははっ……確かに!きーちゃんて肌白いイメージだもん、ね?陽?」
そう聞かれ陽は動きを止めた
――え、今なんて?
そう心の問に答えるかのように再びハルが口を開く
「…陽?聞いてる?」
間違いなくそこにはおかしなてんがあった。
陽はそのことに気づいて
指の先が冷えてく、そんな気がしていた
ハルが俺と距離を取ってる
その理由は明確なものだ
自分でハルを突き放したのだから
「…そうだね、季波ちゃんは、肌白い方が似合うかも」
「えへへ〜ありがと〜」
そう照れながら笑う季波はその後少し話すと自分のクラスへと戻っていった
その後ろ姿を見送るとハルはスタスタと教室に戻る。
陽を置いて。
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