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まっすぐって何
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それから二人は再び眠りにつき数時間後にハルが設定したアラームの時刻に目を覚ました
「…ハル」
「んー?」
「…サボりたい」
陽は未だに布団の中に身をくるめてハルに膝枕をせがむと腰に抱きつき置きたくないと駄々をこねている
「陽ちゃん、もうそれさっきから何度も聞いたよ」
ハルは苦笑しながら陽の猫っ毛を優しくすいてやった
「んー…ダメ?」
「ダメです。学校には楓磨達も居るし行こ?」
「……………わかった」
「いい子」
ハルは陽をさわさわと撫でると頬にキスをした。
すると腰に頭をつけていた陽が仰向けになりハルを見上げる
「…そこ違う…ここ」
陽はそう言いながら自分の唇を指さした
「甘えん坊」
ハルは陽の唇にキスを落とすと、優しい笑顔で笑ったのだった
それから二人は起きて昼ご飯を家で取った後午後の学校へと向かった
着いた頃には後もう少ししたらお昼休みが終わる時間で二人は急ぎ足でクラスに向かう、クラスに入ると楓磨と龍がサボリ組〜!とからかうものの笑顔で遅い挨拶を交わした
ハルと陽も笑いながら楓磨と龍の元へ椅子を引っ張り談笑していると何やら廊下から二人を呼ぶお客さんがみえた
「おーいそこの幼馴染み二人」
「え?」
「そうそうお前らだよ、ハル陽!お客さん」
「なになに〜?」
ハルはそう聞き返しながらふわふわと軽く廊下へと向かうなり、にこやかだったその笑顔が一瞬で冷たい顔に変わった
それを見ていた陽は何となくだが、誰なのかが予想が立ちゆっくりと重たい腰をあげ向かう
「…ハル」
「あ、陽ちゃん」
「……何の用だ銀城?」
「…話がある、そんな時間かからないから向こうで話せないかな?」
「まだ何か陽ちゃんにする気?俺言ったよね?何されようと絶対に陽ちゃんだけは守るって」
「…だから、そのことについて」
「俺達には話すことないよ」
そう言って引き返そうとしたハルを陽の手が止めた
「待てハル…。銀城、向こう行こう。ここじゃ目立つ」
陽はあたりを気にするとハルの手を引き銀城のいる廊下へと移動した
クラスの中では一つ下の階の筈の銀城と同じクラスのハルと陽達と関わりがあることよりも、目立つ三人が揃った事に辺りはなんだなんだと各々が聞き耳を立てていたのに陽は気づき少し窮屈そうに足早に移動したのだった
「ここなら誰も聞こえないしこないだろ」
陽はそう言って屋上に差し掛かる踊り場へと二人を連れてきた
「…で、銀城は俺とハルになんの話なんだ?」
そう言う陽の目は真っ直ぐで銀城は少したじろいでしまう
「…陽色々すまなかった」
しかし銀城は1つ息を吐き整えると謝罪と共に深く頭を下げたのだ
また何か陽にちょっかいを出される気だったハルは驚いたが、一方で陽は落ち着いており真っ直ぐ銀城を見つめる
「…銀城もういいから頭あげてくれ」
「…っ…、本当に済まなかった」
「銀城、過ぎたことはもういい。お前だけじゃなくて俺も同罪だ。俺もハルを傷つけてる。だから俺は怒る権利もないしハルは人を憎んだりしない奴だ…だから銀城はもう謝らなくていい」
陽は淡々とそう言ってハルの目を見たあとに、銀城へと視線を戻した
「……お前らって本当に仲良いんだな」
「…ああ。俺はハルが大好きだしハルも俺が大好きだ」
陽はそんな普通の人なら小っ恥ずかしくて言えない様な言葉を迷いなくいいきるその姿に銀城の心はズキっ、と痛みが走る
「そうか…。俺、岡田に最初ここで見つかって殴られた時何が悪いって思った。横取りして何が悪いって…最初は体からでも最終的に陽の気持ちが俺に傾くならそれでいいって」
「…銀城」
「…それに今までもずっと俺は自分の欲しいもんは取られる前に取ってきたし捨てられる前に捨ててきた。素直に生きてれば、純真に人を好きになればそんな奴の方が馬鹿みたいな思いして…なら一層奪われるくらいなら奪ってやろうって思ってきた。
――まっすぐってなにって思う。真っ直ぐに生きてていい事なんてひとつもねえて思った。どれだけ仲良い奴らも少し揺らせば崩れる…真っ直ぐに人を思ったらそれだけ傷がつく……でも陽は…ずっと岡田の名前呼んでたよ」
「え?」
「…俺が無理矢理やっても何しててもとぶくらい感じててもお前の名前ずっと呼んでんの。本当に最初は俺、陽の事奪える自信満々だったけど陽に触れば触るほどお前の匂いがぷんぷんする」
「えっ…お、俺の匂い?!」
「すげーお前本物の犬みてえにマーキングしたみたいに陽の中お前しか居ねえんだよ」
「え?!そうなの陽ちゃん?!」
「…?俺はハルが好きなだけだけど?」
「陽ちゃん…っ!…あっご、ごめん銀城続けて…」
「…だから、俺はお前らに勝てないって思ったし岡田に2回目殴られた時自分が犯されたわけでもねえのに、なんでこんな苦しい顔してんだろって思ったら俺馬鹿らしいことしてきたって思った…真っ直ぐに思いあってる奴まで俺は自分で手出して壊そうとしてたんだって。俺はそうゆうお互いに本当に壊れないモノ見たくて見せて欲しくて変な荒れ方してたんだって。…だから許してもらえるとか思ってねえけど…本当に悪かった」
銀城はそう言うと二人の目を見つめたあとに再び頭を下げると頭をあげ、再び視線のあったその瞳は今までよりも一番真っ直ぐで何か滞っていたものがすこしだけ溶けたような、そんな表情をしていた
「そう教えてくれたのは岡田だった。真っ直ぐに好きな奴のためならって好きな奴迷わず選ぶ岡田に、そうゆうの全部わかってて岡田にそれ以上の愛情返そうて純真に好きでいてくれる陽達に教えてもらった…、ありがとう」
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