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球技大会
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約束をした翌日の朝、陽はやけにやる気に溢れていた
ハルはそんな陽を眺めて
(サッカーが楽しみなんだなぁ、可愛いな本当)なんて見当違いもいいところな事を呑気に考えていたのだった
当の本人は昨日の約束を楽しみにしていて
優勝して帰ったらハルにどんなエッチをしてもらおうかとワクワクと頭の中はピンク色に染め上げていた
そんなチグハグな事をお互いに考えたまま
グラウンドでは開会式が始まり、それぞれの生徒代表が前に出て目標を述べたりと淡々と時間は流れていく。
サッカーとバスケの試合時間はうまいことにズレており陽もハルも互いに応援しに行く事を約束していた
先にハル達赤組チームのバスケットの試合が午前にある。
お昼休憩を挟んでからの午後はサッカーの試合が始まり、どちらの競技も午前、午後でどのチームが優勝かがわかる為に陽はドキドキと胸を高まらせていた
そうこうしてる間にハル達のトーナメント選抜が始まることになり、陽と龍はハルと楓磨を応援しに体育館へと向かったのだった。
体育館につくとそこは前の試合での熱気がこもっていて、皆がワクワクとした表情で応援をしている
今は入れ替えで試合は行われていないが熱気は未だに消えていなかった
陽はハルをキョロキョロと探していると横にいた女の子のグループが「きゃあ!」と高い声をあげてはしゃぎ出す
大きな声が苦手な陽は肩をビクッとさせると少し距離をとった
しかし、そんな陽の耳に入った言葉で陽は再び女の子達へとススス、と距離を縮める事になる
「悠叶くんいた!」
「え、どこ?」
「ほら!あそこだよ、楓磨君と!」
「やだぁ〜!二人とも可愛い!絵になる!」
「本当だよねえ〜悠叶くんて彼女いるんでしょ?」
「え?本当に?!」
「私らとタメ?」
「ううん、私達の一個した!悠叶くんの同級生の子らしい」
「うっそ〜ショック」
「まじかーあたしは楓磨君と悠叶君で付き合って欲しかった」
「そっち?!…いやでもありだね…うん」
「二人ならいいかも!」
一つ上の先輩達は各々の妄想を口にしてはキャーキャーと声をあげている
しかし横でそんな話をきいた陽はハルを見て、次に自分の足元を見てを繰り返しては心がモヤモヤと曇り出したのがわかった
――ハルと楓磨はお似合い…?俺は…ダメ?
陽はそう考えるとどんどんネガティブになっていってしまう。
しかしハルを見つめてなんとかその考えを切り離そうとしたが、陽の視線に気づかないハルはあろう事か陽の目の前で噂になっていた楓磨を後ろから抱きしめたのだ
「なっ…!」
「……?陽…どうした…?」
「………な、んでもない」
陽は思わず口から声が出てしまい龍に心配されてしまった
慌てて口を手で抑えたが未だに心臓はバクバクと音を立てていて、隣の女の先輩だけでなくきっとハルや楓磨を見に来た人達が二人が抱き合う姿を見つめてザワザワと騒ぎだしたのを陽はいやってほど感じ取ってしまった
だが鈍感で陽の事にしか敏感でないハルは自分が周りにどう見られているのかも、陽がハルが思っているよりもハルの事を凄く好きでいる事も自覚していない
陽はそう考えるとモヤモヤではなく、今度はムカムカと胃に何かが渦巻くような気分になった
――ハルの隣は、俺のなのに。
陽はそう考えると珍しく顔をむすっとさせてハル達を眺めていたのだった
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