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過呼吸※
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「…」
「金無さん、どうしたんですか?早く降りないと、時間なくなりますよ」
「…」
「……くりす?」
神野さんの手が僕の頬に触れ、神野さんの方に顔を向かせられた。
「…じ、んっ…のさ、ぅっはぁっ、うっ」
いきなり胸が苦しくなり、心臓がドクドクと激しく振動を始める。
息が上手く吐けなくなり、なんども息を吸ってしまう。
なに、これっ…
呼吸が上手くできなくなり、息苦しさから目には涙が溜まる。
「…ッ!お、落ち着いて深呼吸してくださいっ」
神野さんは僕を見ると、目を丸くし、それでも対処法を教えてくれた。
でも、その通りに深呼吸しようとするも、深呼吸ができない。
くる、しっ…ぃ…ッ
「はっ、はぁっ、ッ…は、ぁっ、ッじ、っの、さ…」
必死に神野さんに助けを求めるが、涙で視界がぼやけて神野さんの顔が見えない。
僕、ここで死んじゃうの…?
怖い
神野さんの僕を呼ぶ声が徐々に遠ざかっていく。
聞こえ、な…
意識が朦朧とし、視界が暗くなりかけた時、突然息が送り込まれた。
「っ…!?」
「んんっふ、っんんーーー」
遠のいていた意識が一気に手元に戻ってくる。
僕は慌てて、違う意味で助けを求めようとして口を開いたが、返ってそれが僕の舌が神野さんの舌と絡み合う原因となった。
「んーーッ!?」
神野さんの舌が僕の舌に、ねっとりと絡みつき、お互いの唾液が深く混じり合う。
「んふぁっ…っぁ」
なんか、きもち、いい……?
もっと、と思った時、神野さんが僕から急に離れた。
「あぅっ…?」
「あ、ごッ」
あご?ア○トニオ猪木さん?
「ごめんなさッ…!な、何してんだろう俺ッ!本当にごめんなさっ」
慌ててる…?
俺って言った…
あれ、そういや僕、息できる。
「あ、そうでした。息、ちゃんとできますか?」
「…うん」
「はぁー…ならよかったです」
神野さんは苦笑しつつ、僕のシートベルトを外した。
神野さんって思ってたよりも、笑う…?
「私が付いていますので、大丈夫です。心配ありませんから、安心して家の方に入りましょう?」
「あ……うん。ごめん、なさい」
「大丈夫ですよ。誰にでもそういう時くらいありますから」
神野さんの手をとり、僕は車から出た。
……昨日まで住んでたはずなのに、僕の家じゃないみたいだ。
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