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横断歩道
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「んー…なにしよう」
一人ですることってのも特にないな…
「家は帰れないしなー…」
とりあえず、うろうろしてようー…
そう思って、僕は服屋やゲーセンを覗き、暫く時間を潰した。
…時間が余裕で余った。
時計を見るとまだ11時。
腹減ったなー…
なんかご飯食べるところでもあったっけ…
ケータイで近くのご飯屋さんを調べてながら歩いていると誰かの方にぶつかった。
「…ってぇな、よそ見してんじゃねぇよガキが」
「あっ、すみm…………あ」
ぶつかったのは怖そうな男の人。すごい綺麗な女の人を連れていた。
「なんだガキィ?」
怖そうな人は僕に近づいてくる。
けど、今の僕にそんなことはどうでもよかった。
怖そうな人と腕を組んで歩く女性がこちらを見て、目を丸くする。
「……っ!……ほ、ほら、アンタ。早く行くよっ」
女性は、僕につっかかってくる男の人の手を無理矢理引いて建物内へと消えてしまった。
建物を見上げると、「休憩3時間5000円」の文字。
らぶ、ほ…?
薄い栗色の髪に深い青い目…白く透き通った肌と生誕な顔立ち。
間違いない、あれは………
母さんだ。
「…っ、は…、ぁっ、……ンッは、つ、っ、…ァ、はッ…!はっ、ッッ、…!」
さっきの女性がお母さんだと確信した途端に、急に呼吸が乱れ始めた。
「…、っはァッ、ん、はっ…ッツ」
徐々に足が痺れはじめ、僕は横断歩道のど真ん中で膝を折り曲げる。
手で首元を抑え、正しい呼吸をしようとするが、呼吸の仕方を忘れたように息が上手く吐けない。
信号はいつの間にか赤に変わったのか、車が動き始める。
車のクラクションが鳴り響く。
だめだ、立てない…
前が、見え、な………
視界がぼやけ始める。
一台の自動車が、僕の目の前に現れた。
もう避けられない
死ぬのかな…僕
車が僕に向かって走って来る様子が、スローモーションに視界に映し出された。
ドンッという鈍い音がすると同時に僕の体は宙に浮いた。
僕の体は綺麗な放物線を描き、硬いコンクリートに叩きつけられた。
そこで僕は、目を閉じた。
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