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その土曜日の夜を俺は一生忘れないだろう。
大学のサークルのOBに初めて連れて行ってもらったキャバクラは、刺激的な世界だった。
高校の時の女子や大学の女の子達とは全く違う、煌びやかで華やかなお姉さん達に可愛い可愛いとからかわれながら、勧められるままに酒を飲みまくった。
OB達も鼻の下を伸ばしてキャバ嬢にデレデレしまくってて、みんなで盛り上がっていたんだけど。
不意にOBの一人が声高に「タツコちゃんまだかよ!?」とボーイに向かって叫んだんだ。
リアとかレイナとかの可愛い名前ばっかりを聞いていた俺は、いきなり古臭くてダサい名前を呼んだことに首を傾げた。
違うOBに誰っすか?と尋ねてみると、「保村は初めてだもんな」と軽く馬鹿にされながらも教えてくれた。
そのタツコちゃんっていうのは、この店のNO.1キャバ嬢で、よく聞いてみるとここいら一体の飲み屋街の中でも一番だとかいう美女らしい。
俺はそれを聞いて、凄いなぁとか思うよりも、そんな一番のキャバ嬢のいる店で飲み放題してるけど金は大丈夫かな?という心配ばっかりしていた。
まぁOBの奢りだろうしな、と思いつつツマミを貪り食っている時だ。
「お待たせしました。タツコです」
今まで聞いたことのないくらい、綺麗な声が聞こえてそちらを振り返った。
そこに立っていたの彼女を見た瞬間、今まで俺は女の子を追いかけていた行為は全て無駄なことだったんだと思った。
だって、俺が追いかけていた女の子なってカボチャだったんだから。
―――宝石が擬人化したら、きっとこれくらの美女になるんだろう
俺は目の前の彼女に一瞬にして骨抜きになってしまった。
「俺と!結婚してください!!!!!!!!」
んで、俺は気づいたら彼女の目の前で土下座して叫んでいた。
告白とか、お付き合いとか、全部の段階すっ飛ばして結婚を申し込んだ俺に対し、彼女は至極冷静に「嫌です」と断った。
それが、今の嫁であるマリアとの出会いだった。
結婚を申し込むと同時に俺は(心の中で)全身全霊叫んだ。
「俺はホモじゃなかった!!!!!!!!!!!!!!!!!」
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