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No.1/モブ男
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オレは今日、この学校に入ってから25回目、いや27回…28回目だったか、まあとにかくその位の告白をしてフラれた。
高3の4月、心機一転、気合いを入れて臨んだ告白だった。相手は去年同じクラスだった合田さん。髪が茶髪で、パーマなのか毛先がくるりんと丸まりかわいい。しかも、化粧も程よく濃くない。
「付き合ってください。」
「ごめんなさい。」
屋上で食い気味に断られた。ひでえ。
「何で!もうちょい考えてくれてもいいじゃん。」
「いや、桜井とはムリ。」
また、食い気味。ひでえ。
自分の教室に帰り、この話をさっそく今年も同じクラスの龍壱に言った。
「あー。お前の告白癖は有名だから。」
「なにい!そんなクセはない!」
「…うん、まあ、惚れっぽいよな。」
「…それは、まあそうだな。ああ、彼女が欲しい!龍壱にいて、オレにいない事が不思議すぎる。どうしたらいい?このまま卒業して、おそらく大学生になって、そこでも彼女できなかったら!」
ガクガクと、椅子に座る龍壱を揺さぶり訴えた。
「あれだわ、いいこと考えたわ。モテる奴見て学べ。」
「モテ男?どこにそんな危険人物がいんだ!そんな奴がいるからオレに女の子が回ってこないんじゃい!」
面倒そうに、長めの横髪を後ろへ流す。ふいに、手を止めた。
「…あ、いんじゃん。ちょうどいいのが。しかも真琴の隣の席な。」
隣の席…誰だっけ?オレの疑問は顔に出てたようだ。
「加賀だよ。加賀京平。あいつめっちゃモテるぜ。」
「まじか!ならオレは加賀を観察することにするわ。」
「おー。」
龍壱が、彼女とメールのやり取りしながらてきとうに返事した。
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