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No.10/モテ男
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双子は俺を挟んで、両隣に腰を下ろした。
「僕は楓。」
俺の右隣の奴が言う。
「僕は紅葉。」
今度は、左隣から。
「さてと、加賀さん。」
「ちょっと、話でもしますか。」
急に雰囲気が変わった。さっきまで、桜井に向けてた明るく無邪気な空気が無くなる。
なんだ、この双子。しかも、進学校で有名なM学園高等部の制服…スポーツ特待生じゃないなら頭良いんだな。顔も、桜井と全然似てない。
「昨日、真琴の首にキスマーク付けたのあんた?」
「しかも、今日もヤってたんだ。」
「…兄ちゃんが、誰とヤろうと弟に関係無いだろ。」
双子が、俺を通り越して目で合図し合う。
「真琴と僕達は、血が繋がって無い。僕達が一つ年下だから、兄ちゃんって呼んで欲しいって言われてさ。」
「だから、そう呼んでる。真琴は母の連れ子で僕達は父の連れ子。再婚したのは3年前。」
左右から、同じ様な声で喋んなよ。
「で、何?」
「真琴はさ、バカだからチョロかったでしょう。騙してヤってしまうの。」
「僕達もさ、直ぐキス出来たよ。家族なんだから挨拶だし、ノーカンだって教え込んだら信用してさ。キスし放題。」
「はあ!?」
自分の事は棚に上げて、めっちゃイラっときた。
「もうさ、すごい可愛いでしょ。」
「そろそろ、本気になってきたでしょ。」
「……。」
やっぱりね、と双子が頷く。
「僕達も最初はバカにしてて、からかってただけだったんだけど、」
「バカを通り越して、可愛くなっちゃって…気が付けば好きでさ。」
双子が哀れみの視線を向けて来た。
「僕達も、真琴を抱くのは簡単だよ。でも、やらなかった。」
「それやったら、自分達の首を絞める事になるからさ。」
「なんで…。」
「最後までヤってしまったのは、あんたが初めてだけど、」
「真琴を好きになって、玉砕する男は何人か見てきた。」
「それって…。」
俺は、双子の話に呆然とする。
「真琴は、天然の男垂らし。」
「しかし、本人は女好きで惚れっぽい。」
「そして鈍感で、自分への好意に気付かない。」
「バカにして遊んでたら、ミイラ取りがミイラになるパターン。」
…マジか!何だそれ!
「でも、加賀さんが手を出してしまったなら、話は変わってくるよ。」
「僕達も、本気で好きなんだ。」
「おい、まさか…。」
双子がニヤリと笑う。こいつら、やべえ!桜井逃げろ!…いや、俺が言えた事じゃねーけど。
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