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No.14/モテ男
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明日に向けて、スマホで遊園地の情報を調べながら、ポッキーを食べてる真琴を見る。
ポリポリ…ポッキーが噛み砕かれるたびに小さく振動する。窄まった唇に、どんどんポッキーが入っていく。
…ムラっとした。
「真琴…。」
肩を掴んで、ゆっくり絨毯の上に寝かせる。スマホを持ったまま、びっくりして見開かれた目と、途中で止まり少し残ったポッキー。
端を歯で軽く挟んで噛み砕き、唇をくっ付けた。柔らかく重なり、俺の気持ちを高ぶらせる。
「京平…なに、」
「好きなんだ。」
「…それ、昨日も言った?」
「うん。ふられたけど、でも好きだ。」
「…ふった…オレが?そうだっけ?」
ポカンとしてるけど…いや、ちょい待て!
「真琴!ふってないのか!でも、昨日の夜中に、男は嫌だから女がいいって。」
「それは…京平がオレをバカにしてダマしてたのが悲しくなって…。オレは、自分がバカだって分かってるけど。もうなんか全部嫌になって、こんな思いするんなら女の子のほうがいーなって思って…泣きたく…なって、」
真琴の目から涙がこぼれた。絨毯に吸い込まれる。
ああ、俺はなんてことをしてしまってたんだろう。こんなに傷付けて、好きな奴泣かせるとかサイテー過ぎる。
好きになってしまえば、やってしまった事への後悔しか残らない。
「だから、朝泣いてたのか…。」
うんと頷く身体を抱き締める。
俺とあんまし変わんない身長の、真琴の後ろ頭を撫でた。グズっと俺の肩口で、泣き止もうと頑張っている。
高ぶってた気持ちが、切なさに負けた。
「ごめんな。真琴はバカじゃない、バカなのは俺だ。もう、嫌がる事はしないから。さっきも無理矢理キスして、ごめん。」
「…じゃない。」
ん?聞こえないくらいの小さな声。
「…もう一回言って。」
「イヤじゃ…ない。」
涙で潤んだ瞳が間近にある。さっき触れた柔らかな、少し開いた唇。
「キスしても、いーのか。」
「うん。」
バッキュン!心を撃ち抜かれた。
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