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No.29/モテ男
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バスの中は混雑していて隣りに立つ能戸が結構近い。揺れると茶色の髪が俺の頬をさわさわと撫でる。あーもう!くすぐってえし、払い除けたい!
俺はまだ観覧車での事を引きずってて、イライラが収まってない。能戸の所為じゃねえけど少し距離置きてえな。
あ、またかよ!くそ!
「加賀、今イラっとしたろ。」
「…なんで。」
「分かりやすいっつの。すぐ顔に出るしさ。…そんなに俺の事を邪険にしないでよ。」
「別にお前の所為とか思ってねえよ。この混雑した状況なら仕方ないのも分かってる。……あー、でもイライラしてたのは本当だし、八つ当たりみたいなもんだった…ほんと御免な。」
俺が素直に謝ったのがそんなに珍しいのか?目がまん丸になってるぞ。
「…加賀は、タチが悪い。」
「お前が言うか、」
俺は能戸みたいに男まで唆してヤろうとは思ってないし…あ、真琴は例外。ていうか今は女も無理だな。真琴だけでいい…でも、これからどうなんのか…、
「ほんっと自分勝手だな。気まぐれに優しくしたりすんなボケっ!」
「はあぁ?なんだよボケって。謝ってる奴にいきなり喧嘩売るとかお前なんなんだ。」
「能戸様だよ。」
「ムカつく。」
言いながら小学生みてえな能戸が可笑しくて笑った。能戸の顔がなんか赤くなってる…照れるくらいなら言うなっての。
「あ、」
今なんか真琴がこっち見てた?いや、気の所為かな…双子に挟まれて下を向いてる。
「なに?ああ、まことっちと弟君達。」
そういや、能戸はあの双子も喰えたりすんのか?
「なあ、楓と紅葉ってどうなんだ。」
「どうって?」
「喰えるかどうか。」
なんでか睨まれた、
「…まさか、俺に喰わせようとか思ってる?」
「あー、そういうつもりじゃなかったけど。でも喰えるならどっちか減らしてくれると助かるな。」
「そういうお願いはちゃんと出すもん出してからしろよ。」
「金か?」
「違う、ケツ貸せ。」
ギョッとした。いつもより声のトーンが低くてふざけてない。…本気か?
能戸がほらどうすると返事を急かす。
「いや頼まねえよ。そもそも冗談だから。」
ちょっと本気だったけど。
「えー、」
チャンスだったのに、とか言って残念そうにすんな!
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