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No.34/モテ男
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いつもより早目に登校し靴箱を覗いて確認してから教室へ向かう。
昨日は自宅に帰った後の楓から電話が掛かってきて、真琴が俺の事を庇うから仕方無く今回だけは大目に見てやると言われた。泣かせるのは許さないし、酷い事をするなと二度目の注意勧告も受けた。
いつもだったら楓の発言はイラつくし何様だよって思うけど、真琴に怪我させた事は自分自身が許せない。あんな悲しそうな顔はもうさせたくなかった。
靴箱で確認したお目当ての人物は廊下で別のクラスの奴と話していた。
「おはよ原、ちょっと頼み事が有るんだけど。」
おー?とか言いながら、俺の方を見る。
「はよ。何だよ頼み事って。」
「席替わってくんね?」
「…あー、いいけどさ。俺の席がどこか知ってるか?」
原の席?知らね。
「いや、どこだよ。」
「特等席だぜ。なんと黒板の真ん前。仕方ねーからお前に譲ってやる。ほんと仕方なくだからな。」
「……ちょっと考えるわ。」
別の奴探すか。原に背を向けようとしたらガッと腕を掴まれた。
「加賀さま!お願いします替わって下さい!今日だけでもいい!あそこは息が詰まるんだあ!!」
俺に自由と早弁と睡眠を下さい!と縋ってくる。
「……今日だけな。」
「ああ加賀!お前はいい奴だったんだな。いいのは顔だけじゃなかったんだな。」
「…やっぱ止めるか。」
「いやん!お願いやめないで!」
キモい。
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