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No.35/モブ男
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「おはよ真琴。」
コンビニ寄ったら思ったよりレジが混んでて遅くなってしまった。教室に入ると何故か龍壱が京平の席に座って教科書をしまってる。
「…お早う。まだ京平来てねえの?」
「いんや今どっか行ってたぜ。あとここは俺の席だからな。俺が隣なんて嬉しいだろう。」
「えっ…なんで?なんで替わったんだよっ。」
コンビニの袋を持ったまま急いで詰め寄る。
「あー。なんて言うか俺の裏声にビビっと痺れてイイぜ、みたいな。」
龍壱がなんか言ってるけど全然耳に入って来ない。どうしてだよ…昨日の事でもう顔も見たくないって程嫌われたのか?
「なあ真琴。…お前師匠と喧嘩でもしてんの。」
「…ちょっと怒らせた。」
ちょっとどころじゃねえかも。激辛スナックはちゃんと買ったけど…。許してくれなかったらどうしたらいいのか…。
どんどん不安になってきた。
「そんな顔すんなよ弟子。…席替わんのは今日だけだから早く仲直りしろよ。せっかく俺が特等席を譲ってやってんだからさ。」
俯いたオレの顔を覗き込んで言ってくる。
「……うん。」
「お前のいいところはバカなところだ。だからあんま深く考えずに謝れよ。どうせ大した事じゃねえって。」
あっけらかんとした声。顔を上げると龍壱が笑ってる。オレは龍壱が友だちでいてくれる事で救われてる。まあ彼女がいなけりゃもっといいけどな。
いや、別れの呪いをかけるのはしばらく控えてやろう。なんだか元気が出てきたし。
「ちょっと京平探してくる。」
「おー、行って来い。」
激辛スナック入りのコンビニの袋を持って急いで教室を出た。
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