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No.38/モテ男
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校門に立つ双子は目立っていた。俺たちが近付く前に女に話しかけられている。M学園の制服効果なのか…それともあまりにそっくりだからか。動物園のパンダみてえなもんだろ。まあ像でもキリンでもなんでもいいけどな。
「お前の弟達すげえ。さすがにモテるな…。いや、でも俺ほどじゃねえけど。」
「そうだろ。カッコいいだろ!」
原の言葉の前半部分だけを捉えて、真琴が嬉しそうに頷く。あーもう。双子と真琴の関係はどうなってるんだよ。
「兄ちゃん!」
「兄ちゃん!」
女を置き去りにし駆け寄って来て真琴の両脇を固める。相変わらず真琴しか見てないな。俺と能戸と原は無視か。
「待たせてごめんな。」
謝る真琴の頭を撫でてる。
「止めろ。」
俺の存在に今気付きましたと言わんばかりの顔。
「加賀さん居たんですか。全く気付きませんでした。」
「昨日の今日でまた顔を合わせるなんてこれっぽっちも思いませんでしたよ。厚顔無恥って言葉知ってます?」
この言葉…。なのに笑顔。こんなんでへこまねえよ!真ん中にいる真琴はキョトンとしてる。厚顔無恥知らねえのかな。
「言ってろ。もう真琴には許してもらったしな、」
「なあ何の話ししてんの。気になるんだけど、」
「能戸お前は入ってくんな。」
「楓も紅葉も最近視力落ちたのか?京平はずっと一緒にいたけど。」
「真琴、気にするポイントそこじゃねえよ…。」
思わず突っ込む。多分、厚顔無恥知らないだろ。俺が嫌味言われてる事に気付いてねえな。
隣で原がゲラゲラ笑ってるし。能戸は探る様に俺たちを見てる。
パシャ、
不意にシャッター音。何でか今朝の下級生が俺の写メ撮ってる。あの能戸の元彼?って奴。
カオスだ…。
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