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No.39/モテ男
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能戸の元彼?の名前は鳥海だった。それはまあどうでも良い。気に入らないのは鳥海に観察されてる事と真琴が奴に懐いてしまった事だ。
しかも鳥海は俺を観察するに至った経緯まで話した。あの場にいた全員に知れ渡った能戸との関係、真琴以外の微妙な空気。能戸の殺気漂う作り笑顔…あいつはすごい奴だった。
「鳥海ともう付き合ってやったらどうだ。あんだけ好かれるってなかなか無いだろ。」
アイスクリーム店を出てそれぞれ帰宅する為にバラけた。能戸と俺は割と近所だから一緒に歩いている。鳥海は用事があるからとさっき何処かへ去っていった。
「……嫌だ。」
…まあそうだよな。嫌だから振ったんだろうし。
「それよりまことっちに何したわけ?いい加減教えろよ。このままだと気になって眠れないから、もう加賀んちに泊まりこんで添い寝してでも聞き出そうと思ってるんだけど、」
「止めろ、」
能戸と添い寝とか恐ろしい。さすがにもう狙って無いだろうけど…念の為ケツは守りたい。
「じゃあ言ってよ。」
「はぁ…。昨日ちょっと怪我させた。」
観念して話す。どうせ俺が言わなくても真琴に聞き出すつもりだろうし。
「怪我って何で?」
「それを話すのはなあ…。」
キス拒否の勘違いとか双子への嫉妬とか色々有るんだよ。…一応、真琴は俺を好きだって言ってくれたけど…不安は尽き無い。
迷ってる間に俺の家の前に来てた。じゃあなって手をあげて別れようとしたら能戸が一緒に家へ入ってくる。…やっぱりか。
「まさか逃げようなんて思って無いよな?」
地を這うような声。その物騒なパキパキいってる拳はなんだよ…殴ろうとか思ってるか?いや片足上げようとしてる…蹴るつもりか?
「お前、なんか格闘技やってるくせに素人に手を出すなよ。脅すとか卑怯だろ。」
「脅してなんて無いだろ。…ただな、まことっちは友達だから怪我させられたとか聞いたらカッとして思わず手が出る事があっても、もうしょうがないよな。」
「……世間ではこれを脅しって言うんだよ。」
「ふうん?」
もう、観念した。
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