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No.42/モテ男
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「お早う真琴、放課後は空いてるか?」
今日こそはと朝から気合い入れて挨拶と一緒に切り出した。
「おはよう。…今日は楓が迎えに来るから、」
机の上に鞄を置いて先に来てた真琴の方に椅子を向けて座る。
「はあ、楓?…何で、」
「勉強を…、」
言葉が途切れる。何だよ何なんだよ…。ちゃんと言ってくれよ。
「分かった。じゃあ明日は?金曜日だしゆっくり出来るだろ?」
「明日は紅葉が来る。」
「…何だよそれ。毎日じゃねえか。」
「うん、毎日。」
ちょっと待て毎日だと?…あいつらついに放課後の時間まで奪いにきやがったな。
「土曜日か日曜日は?」
真琴が首を振る。…駄目って事なんだな。
はぁ…。
溜め息出るわ。軟禁状態じゃねえかよ!もしかしてGPSのアプリも仕込んでんじゃねえの?
「何それ、」
能戸は腕組んで空き教室の壁にもたれてる。
「やべえ気がするんだよな。」
「…気がするじゃなくてヤバイだろ。囲い込みされてるな。」
「ああ!くっそムカつく!」
昼休みに呼び出して今朝の会話の報告をした。
「…取り敢えず暫く様子を見てみるか。」
「はぁ…。もう何だよあの双子!」
「加賀そろそろここ出よう。授業の前にジュース奢れよ。」
「…しょうがねえな、」
2人で自販機目指して歩く途中で鳥海が見えた。誰かと話してる。俺の位置からじゃ柱が邪魔でもう1人が誰かよく見えない。
「あれ鳥海だろ?」
指差して教える。
「本当だ。」
今日の鳥海は髪を元の状態…とまでにはいかないけどある程度元に戻して眼鏡を掛けてる。
「まことっちと一緒か、」
「え、」
能戸を押し退けて柱で見えなかった人物を見る。本当に真琴だった。
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