アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
No.44/モブ男
-
いきなりの京平のアップにびっくりして体を引いた…けど、背中は壁に付いてるし逃げ場はない。横髪をかき分けるように進んだ指が頭を押さえる。
「…っ、」
唇がオレの口に触れた。ミートボールを刺した箸と弁当を落としそうになって、慌てて両手に集中する。その間に舌が入り込む、上顎を撫で頬の内側を押される。
「んっ、…っ、」
舌が絡んで吸われた。また弁当と箸を落としそうになって両手に力を入れた。ゆっくり離れる唇、ドキドキして落ち着かない。
京平がじっとオレを見てる。力の入らない手でミートボール付きの箸を弁当に乗せて床に置いた。
「真琴、触っても良いか…、」
「…触るって、」
どこを?さっきキスをしたから…他の所?
「嫌か?」
「イヤじゃないけど…ここ学校。」
「知ってるし。」
じゃあ大丈夫なんかな。でもなんか京平の視線が熱い気がすんのは気のせいか?
「真琴、」
名前を呼ばれて抱き締められる。ああ京平の匂いだ。最近はこんなに近づいてなかった。目を閉じて抱き締め返す。
「京平、」
なんでだろう…。なんで胸が苦しいんだろう。オレはなんでこんな気持ちになるんだ。
「もう一回キスしていいか。」
「……うん、」
優しく頬を包まれる。柔らかな唇が少し触れる距離、下唇を挟んで軽く吸う。今度は深く重なり口内を探られて舌が絡んだ。
「は…っ、ぁ…、」
少し出た舌が唇をなぞりペロリと舐めて離れる。
ああ京平のキス。
「…泣くなよ、」
京平に言われて慌てて顔を触る涙は出てない。
「泣いてないけど、」
「違う、泣きそうな顔してんだよ。」
そう言う京平の方が泣きそうな顔に見えた。
「京平のが泣きそうだけど。」
「…泣かねえよ。」
指が伸びてきてシャツの一番上の開けてたボタンを留められた。
「今日はちゃんと上まで留めとけ。…近付くとキスマークが見える。」
ハッとしてシャツの襟を抑えた。全然気づいてなかった…オレは…。
ガタガタ震える指先、涙が落ちそうになるのを堪えた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
87 / 235