アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
No.45/モテ男
-
「お早うございます。真琴君いらっしゃいますか?」
玄関で出迎えてくれた真琴の母親が俺の顔を見て一瞬驚いた、土曜日の朝8時とか早い時間に来たからだろうな。でも直ぐに笑顔で取り繕ってる。
「あらお早うございます。加賀君よね、まだ寝てるかもしれないけど上がってもらっていいから。……真琴ーお友達よー。」
俺を家に通して、階段に向かって声を張り上げてる。少し待ってみるけど返事は無い。勧められるままに階段を上がる、
ガチャ、
扉を開けて直ぐイラっときた。
「…おい。」
カーテンの引かれた室内。目の前の床に敷かれた布団に3人で寝てる。真琴を真ん中にした川の字…じゃねーな、双子が真琴に密着してる。川の字なら離れとけ!
「…うぅ…重い…、」
両側から抱き締められて身動き取れない真琴が苦しそうに言った。またイラっとくる。
「おら、退けよ。」
双子の肩を軽く蹴ってごろりと横へ移動させた。同時に軽く呻いてぱちっと目を開ける、俺と視線がぶつかる。ばっと半身を起こしたのもほぼ同時、おーさすが双子。
ギッと俺を睨む。
「ってめ、なんだよ!」
「っクソが、蹴んな!」
「おー、めっちゃ口悪いな双子。寝起き最悪なタイプ?」
「んー、……ん、京平?」
上半身を起こして目を擦りながら真琴がぼんやりと俺を見てる。まだよく分かってない顔……かわいい。寝起き、かわいい。
真琴の側に屈んで頬にキスする。ちゅって触れると瞳が瞬く。ちゅ、ちゅ、って口へ近付いて唇へ触れる。髪の毛に手を差し込み深く重ねる。
「…んっ、」
「あ!何してんだよ!」
キスだよ、分かんねーの?
「離れろよ!」
離れるかよ、まだ途中だっての。
「っぁ、…はぁ、」
双子が俺の服を引っ張るけど無視。いてっ、腕つねられた。地味に痛い。
真琴の舌を堪能してから唇をペロリと舐める。ちょっとカサついてる。
「お早う。目覚めた?」
「ほんとに…京平だ。どうしてここにいんの?」
「会いたかったから。」
「加賀さん迷惑なんですけど、」
「まだ寝てたんですけど、」
「知るか、お前らに用はねえよ。」
真琴が俺と双子と視線を彷徨わせてから頷いた。
「一緒に図書館行くか?」
「なんで図書館?」
「勉強するから。」
勉強…マジでやってたのか。まあ、でも一応受験生なんだよなぁ俺ら。忘れてたわ。
「いいけど、」
「兄ちゃん加賀さんとか誘わなくていいよ。」
「僕達と3人だけでここでする予定だったでしょ。」
「……でも、…図書館のが…集中できる、」
その間は何だよ。双子を伺うように見て躊躇うように言ってる。自宅だと集中出来ない訳がこの双子なんだろ。もうハッキリと言ってしまえよ、勉強中に手出しすんなってさ。
「なら2人で図書館行こう。双子は行きたくねえって言ってるし。」
「…言ってないし。」
「…僕達も行くよ。」
「うん。ならみんなで行こう。」
真琴がほっとしたように頷いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
90 / 235