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No.46/モテ男
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「うー、疲れた…。」
小さな声で呻いて真琴が机に倒れ込む。
「はぁ…、」
俺にしては頑張った、真琴と同じ様にぐったりと椅子にもたれる。真琴から借りたシャーペンと英語のノートと教科書…今度のテスト結構いけんじゃねえの。
もう直ぐ昼時。斜め前の能戸は涼し気な顔をしてる…そういやこいつは中学の時から成績良かった。この図書館は俺たちの住んでる市の中で一番大きいし設備も充実してるから、能戸はいつもここに来てたのかもな。
俺は能戸の事をタチの悪い男だと思ってたけど、本当は違うんだって最近は見直してる。結局タチが悪いのもバカなのも俺なんだよな。
双子については、真琴に勉強教えながら自分達の勉強までやってた。高2のくせに高3の数学教えるって…初めてこいつらの頭の良さが分かった、M学園凄え。
「兄ちゃん、もう帰ろうか?」
「そろそろ昼御飯食べたいしね。」
「うん。キイチも一緒にうちに来るか、」
「でも急にいいのかな…昼飯とか準備があるだろ。」
「大丈夫。京平も居るからいつもより多く用意しとくって言ってた。」
能戸が頷く、双子は珍しく反対してない。まあ俺が居る時点であと何人増えようが一緒だろうけど。
皆んなでゾロゾロと図書館を出て真琴の家へ向かう。俺は真琴の隣を歩いてる真琴を挟んだ反対側には楓…。
なんでか紅葉は自ら能戸の隣りに並んだ。しかも2人でなんか話してる。
「真琴、今日は泊まってくから。もう真琴の母親には許可貰ってる。」
「はあ?!」
楓に睨まれたけど無視して真琴を見る。図書館に行く前、朝食の御礼を言った時に確認しておいた。
「うん。」
真琴が笑う。
俺はホッとした…まだ一緒に居る事を喜んでくれてる。それだけで俺は頑張れる…我ながら単純なもんだと思う。
恋って凄えな。
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