アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
No.47/モブ男
-
シングルの布団をいつもの様に三枚並べて敷いた。試しにみんなで横になってみると、
「加賀さん邪魔。」
「これ寝返り打て無いよ。」
「…なあ真琴。これは無理があると思うんだよな。」
「ふふ俺は結構楽しい。」
「うーん、どうすっかな。」
京平が言う通りオレの部屋で寝るには5人は多い…。せっかくキイチも泊まってくれる事になったのになあ…。
「兄ちゃん、能戸さんは僕の部屋で一緒に寝るからいいよ。3人で寝なよ。」
「えっ、」
紅葉の言葉にびっくりした。京平も驚いて紅葉を見ている。楓はちらりとキイチを見た。
「あー、じゃあ紅葉君の部屋にお邪魔しようかな。5人でってのも楽しいけど、実際ここじゃ寝れないし。」
「なら決まりだな。ついでに楓も行ったらいいんじゃねえの。」
京平が顎で扉を指す。
「行かないし。あんたが行けば。」
今度は楓が顎で扉を指した。なんか、険悪?
「今から紅葉の部屋に布団用意するから。キイチちょっと待ってて、」
「兄ちゃん手伝うよ。」
「うん。」
紅葉と2人で布団を取りに一階へ降りた。
「紅葉、キイチとすごい仲良くなったな。」
「うん。今日、図書館で能戸さんの借りた本がさ僕の好きな作家のだったから…話してみたら案外気が合った。」
「あーそれでか!紅葉、本好きだもんな。」
共通の趣味が有ったんだな。それっていいなぁ…オレは趣味って呼べるような事がないから羨ましい。あ、京平の趣味はなんだろ…。
「楓も小説読まないし、兄ちゃんも読まないからさあ。やっと話が出来る人を見つけた。」
「あ、でもM学園の友達とかはいるだろ。」
「ああ、会長は読んでるけど…ちょっと合わないんだよね。」
「うーん。同じ本好きにも、合う合わないがあんのか?」
「ジャンルとか、好きな作家や苦手な作家とか色々ね…。」
「ふうん…なんだか複雑なんだな。」
「そうでも無いけど…。マンガだってそれぞれ違うでしょ。そんな感じだよ。」
「あーなるほど。」
すごく紅葉が嬉しそうに笑う。やっぱり好きな事を話す時ってキラキラすんだな。
「良かったな。」
オレも嬉しくなった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
93 / 235