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No.47/モテ男
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「真琴はこっちな、」
紅葉の部屋で布団を敷いて戻ってきた所を壁側の布団へ誘導して俺が真ん中へ寝る。
「ちょっと、加賀さんが真ん中とか無理なんだけど。」
「うるせえよ、」
俺と楓が揉めてる間に、真琴は俺に言われた通りに壁側の布団に寝転んで薄い布団を腹へ掛けてる。
「2人ともお休み。」
早速、寝やすい体制を整えて掛け布団の縁を掴むと笑顔を浮かべ幸せそうに言った。
「……。」
「……。」
俺たちって…。
言い争ってるのが馬鹿らしく感じる。楓も諦めたのか照明を暗くして静かに布団へ横になった。
前から思ってたけど真琴は寝付きがいい。既にうとうとしてる…かわいい。
ふらふら引き寄せられて一緒の布団へ乗る。じっと見詰めてると、すーっと微かに寝息が聞こえ始めた。
「真琴、」
顔を寄せて小さく呼ぶ反応しない。マジでもう寝てんの…頬に触れるてみる。睫毛が少し震える、あぁ…かわいい。
誘うように唇が少しだけ開いてる、もう何だよ…なんでそんな無防備なんだよ。そんなだから俺とか双子に付け込まれるんだろ。
Tシャツの襟元から覗く鎖骨の近くにある鬱血を撫でる…俺も付けた事のある跡。昨日と違う場所、昼休みに見た所はもう消えてる。
バカだな、ちゃんと嫌だって言えよ…。
切ない気持ちで寝顔を見る。
「触るな、」
最初から泊まる気で持参してた、コットンのTシャツを背後から引っ張られる。
「何だよ、」
腕を振り切る様に体を起こす、楓の方を見た。楓も体を起こして布団の上に座る。
「…3年間ずっと守ってきたんだよ。あんたが手を出さなきゃこっちも手を出さなかった。」
「…だから?真琴が嫌がっても手を出し続けんの。」
「あんたも無理矢理やっといて説教すんの?」
「確かに最初はそうだった…それについては悪かったと思ってる。でも今はちゃんと好きだって言ってもらったし無理矢理とかやってねえし。」
「はぁっ!?…好きって言った…?…嘘だろ…。」
「本当、両想いってやつ。だからもう家族をタテに手を出すな。」
楓が黙り込んだ。じっと真琴を見てる。あれ?意外と効いてるか?…まあ、真琴の気持ち知らなかったならショックだよな。
「……真琴に確認する迄信じない。」
「まあご自由に。」
そう言う俺だって付き合ってんのか謎っていう…。
「……。」
返事もせずガバッと布団に潜り込んでしまった塊を見て思った。俺が付けたキスマークを発見した時、空き教室での俺と同じ様に、双子も切ない気持ちを味わってたんじゃないのかって。そして今も…。
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