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No.48/モテ男
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「兄ちゃん具合悪いの?顔色が良くない。」
紅葉がさっと動いて真琴の額に触れる。
「兄ちゃん横になろう。」
何が何だか分からないうちに、楓が掴んでいた真琴の手を離して体を支える。この連携プレーの素早さに唖然としていると、
「加賀、布団から退いて。」
能戸に言われてハッとして真琴の布団から退く。真琴を見ると白く血の気の引いた顔、双子の助けで横になろうとしてる。告白に夢中で具合が悪い事に気付いてやれなかった。
「大丈夫か、」
思わず声を掛けると小さい声でうんと応える。けど、とても大丈夫そうに見えない。あのお化け屋敷を出た時みたいになってる。
「冷えてるね、寒いなら毛布を持って来るよ。」
楓が頬に触れて言うと真琴が小さく首を振った。
「静かな方がいいよね、僕達は部屋を出てるからゆっくり寝てて。」
黒髪を撫でて紅葉が言う、真琴はそれに頷くと素直に目を閉じる。その青白い顔に俺の気持ちは持ってかれてじっと凝視してしまう。
「行こう、」
能戸が促して来るけど心配で側を離れ難い。双子が立ち上がってお互いに目配せし合う。いつものこの双子特有のやり取り。
「加賀さん、今後の事を僕の部屋で話しましょう。」
紅葉が言った。
「兄ちゃんの具合も悪いし、一時休戦しませんか。」
全員が部屋に入ったところで紅葉が早速口を開く。
「休戦?」
「一定期間、お互い真琴に手を出さないって事です。それで誰と付き合うか決めて貰う。」
今度は楓が話し出す。
「…どのくらいの期間だよ。」
俺はもう既に一週間越えの禁欲生活してるっつの。
「なあ、それって勿論誰を選んでも自由って事だよな。加賀や弟君達以外でもいいって話なんだろ?」
能戸がいきなり口を挟んだ…おい、まさかお前まで立候補するとか言うなよ。
「まあ、そうなりますね。」
紅葉が頷く。
「だったら期間はまことっちに任せたらいいだろ。誰かと付き合いたいって言うまで待ってあげたら。何だか見てて可哀想なんだよね…押されまくってるっていうか求められ過ぎっていうか。」
愛が重い…って能戸が言う。確かに俺たちは真琴の気持ちを置き去りに、身体を求め過ぎてたかもしれない。
「…そうですね。」
「…確かに僕達が決める事じゃない。」
「…しょうがねえな一時休戦するか。」
はぁ…。マジでこれ、俺が根を上げるギリギリまでの戦いになりそうだわ。早く俺と付き合うって言ってくれよ。
「口説くのは有りなんだろ?」
一応、確認しておく。
「口説くのはいいですけど調子に乗って手は出さないで下さい。」
「口にキスするのも禁止です。」
「…分かった。でも真琴からしてくんのはいいって事なんだろ。」
「勿論、」
「それは有りですね。」
両想いなのにこの状況…俺の下半身問題は深刻だ。
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