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No.82/モテ男
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原は真琴と俺が付き合ってるのを以前から勘付いていたらしい。案外、ちゃんと周りを見てる。侮れねえな。
「何だよ、俺だけ退けもんとかひでえだろう…。」
「ゴメンな龍壱。別に退け者にした訳じゃねえけど、せっかく京平とも仲良くなったのに…付き合ってる事とか言ったらダメかなって思って、」
俺の前を原と歩く真琴は一生懸命小声で謝ってる。土曜日の午前中なのに学校の校門の近くは部活のジャージ着てる奴が結構ウロついてる。俺たちみたいに補習目当ての奴は制服姿で歩いてるし。
「まあまあ、そんなにまことっちを責めないであげてよ。原の大事な友達に先に手を出して来たのは加賀の方なんだからさ。」
「能戸、黙ってろ。」
ジロッと隣の奴を睨む。何だよニヤニヤしやがって。
「ぷぷっ、言われなくても大体そんなん分かるって!真琴にそんな恋愛スキルねえし。本当すげえフラれてたもんな、高3になって30回だっけ?」
「違う!たぶん27とか28回だから!」
「それ、四捨五入すると30回だろ。」
原と真琴が言い合いしてる。とにかく真琴はそん位フラれてたって事か。30回連続…結構凄くないか。まあ、そのおかげで俺は付き合えてる訳だけど。
「あ!すごい美少女がいる!」
急に立ち止まった真琴が指を指してポカンとした。つられて俺たち3人もその方向を見る。
中々のイケメンと美少女の2人組。しかし美少女の格好がクロップドパンツとパーカー、そしてグレーのチェック柄マフラーっていう…やけに男っぽい。ん?よくよく見ると、何か見覚えがあるな。
あ。
「あれ、松田さんの従兄弟だ。確かM学1年の杉山夕夜とかいう、双子なら知ってるかもな。」
「えと、松田さんって京平の家庭教師の?」
「そう。あれ美少女じゃなくて美少年。」
「へえ。凄い可愛いね。あ、何か紅葉から聞いた事あるかも、生徒会長のお気に入りとか。後で確認しよ。」
能戸がそう言っていきなり写メ撮った。おい、止めろっての。
「…俺のえりりんだって、美少女だし。」
「いや、無理に張り合わなくてよくね?」
思わず突っ込む。相手は男だって教えただろ。
「何か体育館の方に進んでるね、私服だし部活の練習試合の見学とかかな。」
能戸が俺たちから離れて行く2人組を見送りながら言った。
「俺たち3年は部活辞めてるし、何の試合してんのか分かんねえな。ちょっと美少女を間近で見てみたかったなー。勿論えりりんが1番可愛いけど。」
「ホント美少女だったなぁ。びっくりした。」
真琴がしみじみと呟く。あ、こいつって元々女好きだったな。もしかして、あんな美少女もどきも好きなんじゃないか?双子は真琴が惚れっぽいって言ってたしな。しかも30回も告白したんだろ…相当惚れっぽい。
「真琴、あれは美少年だぞ。つまり男。」
「ん?知ってるけど、でも美少女のが合ってるだろ?」
「…まあ、そうだけど。」
後でちゃんと聞き出そう。
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