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BITTERorSWEET?:trois
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「はあ?」
バレンタインディだってことをさっぱり忘れていた俺が渡すチョコを持っている訳がない。
「…持ってないか。」
はぁ…とため息をついて身を引く。ほっとしつつ、がっかりしている自分がいる。
「じゃあさ。」
坂浪がもの凄い速さで動く。喧嘩ばかりしている俺なら避けることはできた。なのに…。見つめられると身動きが出来なくなる。坂浪の顔…今まで気にしてみたことないけれど、なんて綺麗な顔立ちなんだ
ろう。その顔を形成しているパーツの一つの口が開く。
「中津、お前をちょうだい。」
俺は冷え固まったチョコレートのようになる。
「…んっ。」
唇がふわっとする。
「赤く…なったね。」
口づけが首に移る。
「坂、浪、やめ…。」
「ん~…?ちゅ。」
坂浪は聞こうとせず、キスにふけっている。
キスされたとこ…熱い。
「チョコ、もらってたよね?」
「あ?うん…。」
ふと口づけをやめ、問われる。
「持ってる?」
続けて訊かれる。
「ある。」
パーカーもポケットからピンクの袋を取り出す。坂浪はそれを取り上げ、
「生チョコか…。ベタだな。」
と呟き、ニヤリとする。
「それ、俺がもらったチョ…んっ!」
坂浪はチョコを口に含み、そのままキスをする。
「…ん…は、ふぅっ…。」
チョコレートの香りがする中、キスを繰り返される。唾液とチョコレートが混ざって口の中が…。
「す、っご…。このまま最後までする…?」
「いやぁっ…。さ、かな、みぃっ…。」
いやらしい感覚で語尾が乱れる。熱い。繰り返されるキスに口の中に入れられた生チョコのように坂浪の行為に溶けていた。
クスッと坂浪が笑う。
「…しないよ。」
手を離して嘲笑うように俺を見る。
「だって中津ってさ、キスしただけでこんなんじゃん。」
「…っ。」
ついつい反応してしまっている中心を指さされ、顔が赤くなっていく。
「もっと慣れてからね。」
立ち上がるバックで予冷が鳴る。
「授業、ちゃんと来いよ。」
今までした行為に恥じる様子も全くなく去っていく。
それから暫くその場を動けず、湯せんしたチョコレートのようにドロドロにとろけ、始業のチャイムをそこで聞いていたのは言う間でもない。
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