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Eins
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蓮は自室に戻るとその質素なベットに身を沈め
再び深く目を閉じ意識を手放した。
――――――
蓮の生まれ育った国では権力をふるいあちらこちらで国同士が争っていた。
しかしそれも時間とともに決着がつき初め、
国は徐々に落ち着きを取り戻し初めていた。
そんな蓮達が住む国でとある幻と言われる噂が1つ、騎士達の中で噂されていたのだ
その内容は「世界中で優秀な騎士と選ばれたものは、一生遊んで暮らせる国へと迎え入れられる」そんな噂だった。
蓮は噂する街の騎士達の話を聞きくだらないと一蹴した。
「…そんな世界があってたまるか」
そう呟く蓮のその目にはユラユラと黒い影を宿していた。
蓮はまだ青年の年でありながら国を支える重要な組織であり、街の大きな部隊隊長を担っていた
この地には珍しい黒髪を持つ蓮は人の視線を集めたが何よりも目立っていたのはその切り裂く様な目力を持つオッドアイだった。
黒と青の目をした蓮は幼い頃、まだ自分ひとりの力で生きていくこともままならない頃に悪魔の子だと両親に恐れられ道端、ゴミ溜めと呼ばれる土地に捨てられていた
そんな蓮を拾ってくれた男がいた。
彼の名はウィル
そのゴミ溜めに住む人達のリーダーであり
そしてその国で一番の強さを誇っていた人物だった。
ウィルは王から絶大なる信頼を得ており
ゴミ溜めに住む人達を蔑み住民からの縦と矛になっていた
そんなウィルは蓮を拾ったとき
その大きな瞳を見つめ何か運命を感じた、そう昔ウィルは人々に話していた
蓮の右目は黒く深く闇の様に透き通っており
左目は蒼く濃い黒に近いほどの色をした瞳を持つ不思議な目ヂカラのある赤子の蓮は、ウィルを見るなりその顔を花が咲くように微笑んだのだと教えてくれたのだ
そうして蓮はもの心がつく頃には
ウィルに剣を教えてもらい12になる頃には既にその街でかなりの剣筋を持っていた
しかしある日、いつもの様にウィルを待っていたがいつまで経ってもウィルが戻ってこなかった。
それから何日も何日も蓮は
ウィルの帰宅を待ったが蓮の前に二度とその姿を表すことはなかった
そう、ウィルはその噂になっている
「一生遊べる国」に行ったのだと、選ばれたのだと、風の噂で蓮は耳にした。
――そんなわけがねえ。あのウィルが俺達を置いてそんな国にホイホイ行くわけがねえんだ。
蓮はウィルの性格をよく知っているため
街の皆とは一人違う反応をしていた。
その噂には絶対に裏がある、
蓮はそう疑っていたのだ。
ウィルが消えてからは街の人々は酷くゴミ溜めに住む人達に度重なる暴力を与えていた
それを見兼ねた蓮はまだ青年にもなりきらぬその歳でみんなを護るべく、ウィルの意志を守るべく、そしてウィルを見つけるために国の騎士団のテストを受けたのだ
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