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Zwei
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翌朝蓮が目を覚ますと体は綺麗になっていた。
「…あれ?俺昨日そのまま」
お風呂場にいく余力のなかった蓮はそのまま沈むような体の重みに従い意識を手放した
しかし今朝起きると体は綺麗になっていて
しっかりと服も着せてある、
蓮は疑問に思いながら支度を始めた
毎朝六時にはフィンの元に行き手伝いをすることになっていたからだ。
身支度を整えその黒髪の寝癖を直すと
部屋を出てフィンの部屋に向かった
少し歩きフィンの部屋の前に着くと
もう一度身だしなみを整えノックをする
中から「はい」とひとつ返事が聞こえ、
蓮は来たことを知らせると扉が開いた。
「早かったな。昨日は随分と疲れていたみたいだから今日は見逃してやろうと思ったんだが」
フィンは少し顔色の悪い蓮を見ると興味のなさそうな声でそう言った。
「あ、もしかしてフィン様が俺を…?」
蓮が恐る恐るそう尋ねるとフィンは頷いた
「ありがとうございます、次からは気をつけます」
「そうしてくれ、お前の体が不調だとルイス様がお食事をするのに不味くなる」
フィンのその言葉に昨日あったことは本当のことなんだと蓮は改めて思った。
それと同時にフィンの優しさは自分に向けられたものではなくあくまでも主人を思いした行為だったのに蓮は少し胸を痛めた
――どこにも俺を大切に思う人はいない
蓮はぼんやりとそんなことを考えながらフィンへと質問をした
「あのフィン様、俺は一体何をしたら…?」
「特にする事はないがお前もただ居ても暇だろうから薔薇の手入れを任せたい。後は他の奴隷達が各自で仕事を請け負っているから回ってきた時にこなせば問題はないだろう」
「薔薇の手入れ…」
蓮はその仕事の内容に胸を高まらせた
あの綺麗な花達の世話を出来る。
そう考えるとこの暮らしで唯一の楽しみが出来たと、蓮は思った。
「あと食事だが、お前は俺達と違い人間だ。余り多く血を吸われると死んでしまうからルイス様がお前の血を、吸うのは一週間に一度程度だ」
フィンの、説明を聞くと蓮はほっとした
一週間に一度…それなら倒れずにも済むし気持ちも軽くなる。
「…俺の他にも奴隷がいるってことなんですよね?」
「奴隷じゃない家畜だそいつらは。ルイス様のペット以下だ」
「…そう、ですね」
蓮はフィンの言葉を聞き胸を痛めたが
笑顔を作るとそう答えた
その後、フィンに案内され庭に行くと
丁寧に薔薇について教えてもらった。
道具も全て受け取り、蓮のものにしていいと言われ、尚蓮は喜んだ
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