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Zwei_2
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蓮はフィンに教わった通りに
薔薇の手入れをしていた。
庭はとても広く一時間やそこらで
終わりそうにはなかったが
外の風はとても新鮮でそして青空の下に出るのはとても気持ちが良かった。
蓮は思わず鼻歌を歌っていた
そよそよと優しい春の匂いを残した青々とした力強い空気を感じる風が吹く
蓮はそんな、風に抱擁される様な気分になり口から自然と歌を口ずさんでいた
◇◇◇◇
ルイスは朝早くに目覚めると
春の陽気に誘われるように庭を歩いていた
ヴァンパイアは陽の光に弱いというがあんなものは人間の勝手な妄想だ
ヴァンパイアはなんら人間と変わりなく
街を歩き共に生きてきた。
ただ1つ違うのはどのヴァンパイアも
生まれ持った瞳とは違く興奮すると目が紅くなるのだ。
そして皆が人を虜にする綺麗な容姿をしていた。
ルイスは綺麗に咲き誇る赤色の薔薇を見つめていた。
そして振り返るとそんな赤とは真反対のキラキラと漣が輝く青々とした綺麗な海が広がっていた。
その海の色は奥に行けば行くほど青に濃さが混じっている。
ルイスはそんな海を見つめて、頭の中に昨日新しく飼った家畜を思い出していた。
確か名前はなんだっただろう…
そう頭を巡らせながらあのオッドアイに意識は引っ張られていた。
右目は深く深くどこまでも透き通るほどの真っ黒な瞳を持ち、左目は蒼く濃くキラキラと輝く青色の瞳だった。
今までたくさんの家畜を城に招き入れたが
どの家畜も自分を見るなりその瞳に欲情の色を灯らせ一日経つ頃には心身共に心酔しきっていた
だが昨日のあの家畜の目は違った。
俺を、全てを憎んでいる、そんな目をしていた。
ルイスはそこまで考えると再び歩き出した。
庭を歩き半分ほど歩いた頃にどこからかとても綺麗な歌声が聞こえてきた、
その声は優しく穏やかでそれでいて今すぐにでも泣きそうなほどに切なさを感じさせるそんな歌声。
ルイスはその声の持ち主を確かめるために
足をそちらに向かせた。
その声の主に近づき初め、後ろ姿が見えたとき声の主は弾かれたように後ろを向きそして歌を口ずむのを辞めた
その素敵な音色が聞こえなくなるとルイスは肩落とし、少し残念に思う。
「…っ飼い主様…おはようございます」
蓮はルイスを見るなり跪いて頭を下げた
ルイスはそんな蓮を見下ろすと
辺りを確認して今蓮が薔薇の手入れをしていたのだと把握した。
今も尚頭を下げ続ける蓮にルイスは声をかけ辞めさせると、作業を続けるように伝える
蓮はそれを聞くとそのオッドアイで真っ直ぐにルイスを捉えて頷き再び作業に取り掛かった。
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