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Sieben_5
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◇
「ァァ……ッ! あっ、ん! ああっ!」
触手に捕まりどれだけの時間が経ったのか分からない。
蓮の体は媚薬に侵され、触手に弄ばれ、どれだけ小さな刺激にも悩ましく甘い声を上げ体は歓喜に震え上がる。
「あっ、あっ、イッ……くぅ」
ガクンッと首を後ろに項垂れ、腰を突き出し、胸を逸らした蓮の昂りからはとめどなく精液が溢れていた。
絶頂を迎えようがそうでなかろうが、止まることなく射精を続ける蓮の頭の中は白く染まり既に思考回路はショート寸前。
腸壁をこじ開けられ擦られる度に甘い声は溢れ出し、初めの嫌悪感さえ何処かへ消えていた。
ああ・・・・・・もう、どうでもいい・・・・・・
そんな危うい考えが蓮の頭を埋める。
剣士として必死にここまでやってきた。たった一人の家族でもあり、かけがえのない大切な人であるウィルでさえ生きているかも分からない。
必ず見つけ出す、必ず助ける、そう決めていた蓮でも現実の過酷さはうんと分かっていた。
いつも死と、人間の醜悪さと隣合わせて生きてきたのだ。
自分がどんな愚かな希望に縋りついて生きているかなんてことは、誰に言われずとも蓮が一番分かっていた。
分かっていて、分かりたくないと、目をつぶり耳を塞いできたのだ。
しかし人の心も犯すこの触手の毒牙は蓮の強い精神でさえもドロドロと溶かし崩していった。
「ーーッ?!」
そんな意識が沈みかけた時、凄まじい痛みが体を駆け巡る。それは一度ではなく、何度も何度も追い込むようにやってきた。
「なんれッ……、や、めろぉ」
上手く舌が回らず抵抗するも虚しくその痛みは止まることはない。
蓮が見た先に広がる光景にどうする術もなくただ遅いかかる激痛に悶え喘ぐのみ。
「ァアアッ! いッ、アアッ、や、めろっ!」
蓮の体を切り裂くように触手の先が大きく口を開く。何ともグロテスクな内部を晒し、鋭い牙を鈍く輝かせると蓮の肌へと深くその刃を突き刺した。
「ヒッ、ヒャアッ?!」
痛い、痛くて堪らない。
なのにどうだろうか・・・・・・
蓮の体は痛みもやがて快楽へとすり替える。生暖かい血が肌を伝い落ちる感覚がする。深く突き刺さる鋭い刃の燃えるような痛みにも蓮は息の詰まる程に腰を振り乱し絶頂を迎えていた。
「ハ、ハヒ……っ、死、んらう……も、死う……ッ」
四肢を無理矢理開かされ、空中に浮かされたまま突き上げられる蓮の体は心身ともに衰弱仕切っていた。
人間との性行為とは違う容赦のない攻めに、吸い尽くされる精。そして体のあちこちから溢れ出る赤く、紅く、白い肌を滑る血液。
「あー……ァアー……ッ」
蓮の肌は白を通しまるで陶器のように青白く染まり出す。虚ろに開かれている目は焦点が合わず、口元は力なく開いたまま涎が喉を伝い零れていく。
このまま死ぬんだ。
蓮の頭の中に浮かぶ最悪の結末。
こんな最期を迎えるだなんて情けない。戦の中で命を落とすわけでも、誰かの盾になるわけでも、矛になるでもなく、こんな・・・・・・こんな・・・・・・
悔しさに唇を握りしめたくとも力はほんの少しも蓮の体には宿らず。
そんな蓮の首元にとうとう何本もの触手が牙を向く。ドクドクと力なく脈を打ち未だ生きる為に懸命に血を流し続けるその動脈をターゲットに集まってきた。
──ルイス様
せめて最後に会いたかった。どうして避けていたのかだけでも知りたかった。嫌いなら嫌いだと、そうたった一言貰えるだけで良かった。
嫌われる事よりも、貴方の世界に映っていないことの方がよっぼと俺には残酷な世界なのだから
ゆっくりと瞼を閉じて息をひそめる。
最期に心を埋め尽くした想いは、ルイス様への密やかな愛。
「す、き……ルイス様……ッ」
零れた言葉は、静かに、月夜の光へと吸い込まれた
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