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過去④
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連絡が取れない状態って、どういうこと?
考えながら待っていると車がやってきた。
『申し訳ありません。帰りましょう。』
俺は無言で車に乗った。
「松井さん。何があったの」
『すみません。私にも分かりません。
…いえ、誰にも分からないんです。』
「だ、誰にも分からないって…そんな。」
郁也が誰にも言わず出て行く訳がない。
そんな奴じゃない…
ずっと一緒にいて、消えるとか
ありえないんだよ。
考えられないんだよ。
「…郁也、帰ってくるよな?」
「………帰ってくることを祈りましょう。」
きっと帰ってくるって言ってくれなかった。
決めたことは最後までやり遂げる。
そんな性格だから、心配なんだよ。
悩んでるうちに家に着いた。
「郁也は?郁也はどこにいるの?」
「巽、落ち着きなさい。」
「お父様…どこ?何で知らないの?」
「…………………」
「何で………っ………ぅ……」
涙が止まらない。。
『巽お坊ちゃん。
部屋に戻っておやすみなりましょうか。』
「………っ」
その後も郁也は帰ってこなかった。
そうか…裏切られたのか。俺を捨てたんだ
あの花束も手紙も、
しだいに枯れていったんだ。
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