アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-
「メニューも読めませんね」
「じゃ、適当に指をさしてオーダーしよう」
「だな」
値段が書いていないのも怖いけど、一応無難そうな文字を選んだ
「ある意味楽しみだな」
「うんうん」
葵さんと華さんは嬉しそうだ
楓さんはおかしな置物に興味津々だった
「ねぇ、これはどこに売ってるのかな?」
「えっ・・・」
もしかしてこのおかしな象のような悪魔のような何とも言えない置物の事かな
「さぁ・・・・僕にはわかりません」
「そのへんに売ってんじゃね?」
「かもね」
「そうなんだ、このさるみたいなお面はこのへんにあるんだ」
そっち???
というかそれはひょっとこで中華街とは何の関係もない
よく見れば店内には中国らしい置物は一つもない
「おっ、来たな」
「おいし・・・・そうな気がしない」
「・・・・・・・だな」
「これは、何だろう」
僕には何となくわかるけど言いたくない
「見たことあるような」
「う、うん」
「洸、わかる?」
やっぱり来た
「多分ですが・・・・・・にわとりのとさかだと」
「うっ・・・無理」
「俺も無理」
「とさか・・・・・」
「はい、僕が住んでいた田舎に養鶏場があったので」
皿にはとさかしかない
むしろキモイ
葵さんと華さんはすでにギブらしい
視線すらそらしてるし
楓さんは・・・・・
箸に刺して葵さんに食べさせようとしていた
悪魔だ
「無理だからっ!」
「でも、食べてもいないのに・・・・それにこれって葵が選んだんだよ?」
「うっ・・・・」
もしかして・・・・・
選んだ人が食べる決まりとか?
「早く、食べ物を粗末にしてはいけません」
「お前が言うな!」
そしてものすごく嫌な顔をして葵さんが食べた
「どう?」
「・・・・・・・・よくわからないな、こりこりしてるようなぶにぶにしてるような」
「俺無理・・・」
「俺もパス」
「ぼ、僕もちょっと」
「お前ら・・・・・・」
もうおかしな罰ゲームになってる
次の料理が怖い
不安なので携帯で看板の文字を検索してみた
「うっ・・・」
「どした?つわりか?」
「葵!やめてよね、華でもあるまいし」
「ちょ!俺も嫌」
「は?」
華さんも嫌なんだ・・・・・・
可哀相な葵さん
「いえ、今看板の文字を翻訳してみたんですけど」
「うんうん、それで?」
「確信はありませんが・・・・この店はゲテモノ料理みたいです」
「えっ、マジか?」
「うわっ、楓どうする?」
「・・・・・・・・忘れ物した」
「ちょ、待て!」
そのままお金を置いて店を出た
あの店は危険
そんな感じがした
「ところでゲテモノ料理って何だ?」
「知りたければ葵だけ戻れば?」
「いや、遠慮する」
「俺が思うに・・・・」
珍しく華さんが嬉しそうに言った
「あれじゃないかな・・・アザラシの肉とか」
「それって違うような気が」
「だよな、違うぞイオ」
「じ、じゃ・・・・鹿のあれ!」
「あれって?」
「角?」
「楓、マジでそんな事を言わないでよ」
「違うの?」
「だ、だから・・・その・・・・あれだってば」
「何文字?」
「三文字かな・・・・」
「・・・・・・・・・・・わかった、角だ」
「違うからっ・・・そう言う三文字じゃなくて、ようするに・・・・・」
「何?」
「し、子孫繁栄するものだ」
「・・・・・・・・・・・・・・??」
楓さんは全く気付いていないらしい
「お前、マジで角だと?」
「うん」
「とにかくここから離れよう」
「そうですね」
さすがにそれは食べたくない
急いで車に戻り、静かなレストランで食事をする事にした
「今日はホントにありがとうございました」
「お礼を言われるような事は何もしてないし、逆に疲れただろ?」
「そんな事はないです・・・葵さん達が来てくれなかったら僕はまだあの場所から動けないまま朝を迎えたと思います」
「大袈裟だって」
「本当です!」
楓さんは大人しく会話を聞きながら最後のデザートを食べていた
プリンがないのは残念だけど、これはこれで美味しい
ケーキなのかな?タルト?パイではなさそうだけど何だろう
「何だよ楓~、好き嫌いはするなよ」
「あっ・・・」
葵さんに食べられた
多分、最後に食べようと残しておいた赤い実みたいなのを食べられた
「何?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「な、何だよっ!」
「食べたね?」
「えっ?」
「最後に食べようと残しておいたのに」
「そ、そうだったのか」
「許すまじ・・・」
「いやいや、怖いから・・・・てか、お前はいつも好きなものは一番最初に食べてるからさ」
「それはプリン限定」
「ですね」
「初めて見た赤いやつ・・・どうしてくれるの?」
「どうしてって・・・・そうだ!イオのがあるからほら」
「ああっ!!」
「今度は何だよ、イオ」
「俺が一番好きなクランベリー・・・・・」
「・・・・・・・・ごめん、返して」
赤い実が行ったり来たりしてるし
「わかった!明日買ってくるからそれで勘弁しろ」
「明日?」
「ああ」
「約束だからね」
「わかったから」
「じゃ、明日まで殺すのは待つ」
「だからっ!!お前が言うと洒落にならないから」
「あはは・・・・・・何だか壮絶ですね」
「洸、食とはまさに戦争」
「えっ」
「楓の言う事をいちいち考えるな、脳がパーン!てなるぞ」
「あはは・・・・はい」
そしてその後、楽しく会話をして別れた
和海さんが楓さんを迎えに来たから、僕はまた葵さん達にスタジオまで送ってもらった
少し疲れたけど、楽しい一日だった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 473