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その足で会社に戻り、和海はまた何かを調べていた
そして思ってしまった
こんな事をしなくても、もう紫陽ないないんだと言えばよかったのかな・・・なんてね
事実を知れば悲しみが深まるだけのような気がして
そして事実を知ったら彼はどうなるのだろうかだなんて、余計な事まで考えてしまった
そのまま消えて、二度と会えないのだろうか
それは嫌だと思う自分がいる事に戸惑い、驚いてしまったなんて言えないよね
「今度は何をしているの?」
「紫陽が入院する前に血液検査をした事を思い出しまして」
「うん」
「先ほど、紅陽の部屋にドクターを向かわせて血液を」
「ん?」
「DNA鑑定です」
「でも時間が」
「かかるなんて言わせません」
「あ・・・そ」
「極悪非道に思われては困りますので詳しく説明しますと、最新のDNA型鑑定はダイレクトPCRという検査法があり、早ければ1~2日で出る事もあるそうです」
「難しいからもういい」
「はい」
「それの結果が出れば、わかるって事?」
「そうなります」
「そっか・・・・・」
確かに疑ったけど、そこまで踏み込むつもりはなかった
今更だけどね
「複雑な表情ですね」
「そう?」
「心配ですか?」
「・・・・・・・・・・・まぁね」
「もし、彼が兄だと言う事になったら・・・・・いえ、そうではなくても」
「何?」
「大丈夫ですよ、楓の気持ちはわかっていますので」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
紫陽と話し方がそっくりだというだけなのに
でも、本当にそれだけ?
同情ではない
多分違う
もしかしたら、悲しみを忘れさせる為に紫陽が会わせてくれたような気がして
そんな事あるわけないのに
どうしてもそう思えてしまったんだ
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