アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-
よくわからないけど不安だ
もし楓さんに何か尋ねられたらどうしよう
不安すぎて顔が変に火照るし、上手く笑えない
不安になると顔が青ざめるって言うけど、みんながみんなそうじゃないんだ
だって、僕は顔におかしな熱を帯びているみたいだし変にこわばってる感じ
嘘はついたことがないけれど、きっと嘘がばれそうな時ってこんな感じなのかも知れない
「心君、玄関でどうしたんだい?」
「あの」
「楓君は面白いねぇ・・・書類をスタジオに忘れて来たらしい」
「えっ?」
「だから下まで行って見送っただけさ」
「・・・・・・・・・・・そうですか」
「何も聞かれなかったから安心おし」
「はい」
「心君はすぐ顔に出てしまうから」
「・・・・・・・・・・・・あの」
「ん?」
「僕の事は心でいいですから」
「わかった」
よかった
紅陽さんは笑っているし、疑われていないみたいだ
安心したら急にお腹が空いてきた
「あっ、何か作りますね」
「いいよ、うちが作ろう」
「でも」
「こう見えても料理ぐらいは出来るのさ」
「じゃ、何かお手伝いを」
「いいから今夜は安静にしておいで」
「・・・・・・・はい」
確かに腕は動かせないし、邪魔になるだけかも
素直に紅陽さんお言う事を聞く事にして、ソファーに腰掛けた
そしてキッチンで料理する姿を見つめた
「心、冷蔵庫の鶏肉使ってもいいかい?」
「はい、どうぞ・・・あるものは何でも使って下さい・・・と言っても食材が余りありませんが」
「十分さ」
「明日買い物に行って来ますので」
「だめだよ!うちが行くから」
「でも」
「とにかく今は大人しくテレビでも観ていればいいから」
「はい」
と言われても、やはり気になる
でも、本当に料理は出来るみたい
すごく手際がいいし
「よし、出来た・・・・皿は・・・」
「後ろに」
「ああ、わかった」
あっ・・・・・
でも紫陽さんのお皿もそのままだった
「お待たせ!オムライスでいいかい?」
「はい、大好きです!美味しそう」
黄色のオムライスの上には赤いケチャップ
レタスとキャベツとパプリカのサラダと玉子スープ
「すごい、短時間でこんなに」
「一人暮らしが長いからねぇ・・・でも味は保障しないよ」
「あっ・・・・・」
「ん?」
「いえ」
紅陽さんが気を使ってくれたのかな
お皿はお客様用のお皿だった
でも、僕のお皿は紫用さんとお揃いのお皿
「紫用の好みがわかるみたいでねぇ・・・さすがに使えないよ」
「ごめんなさい、どうしても処分できなくて」
「仕方ないさ、処分するまでには時間が掛かる事ぐらいうちにもわかる」
「はい・・・あっ、じゃ明日紅陽さんの食器を揃えましょう」
「無理はしなくてもいいから」
「無理じゃありません」
「そうかい、じゃまた明日考えよう・・・冷めないうちにお食べ」
「はい、いただきます」
オムライスはすごく美味しくて、サラダも食べやすいように切られていた
「すごく美味しいです!」
「そうかい、よかった」
「あっ、お酒なら冷蔵庫に」
「いいよいいよ」
「僕はお付き合いできませんけど遠慮しないで下さい・・・紫陽さんは毎日・・・ごめんなさい」
「じゃ、少しだけ」
「はい」
押し付けたつもりはなかったし、紫陽さんと比べるつもりもなかったのに
「食べたら薬を飲んで今夜はお休み」
「はい、紅陽さんは?」
「うちは少し調べたい事があるからパソコンを借りてもいいかい?」
「はい、2台ありますので好きな方を」
「ありがとう」
そう言えば、紫陽さんは全くパソコンは触らない人だったな
・・・って!また
「心」
「は、はい」
「いいんだよ、紫陽と比べてもさ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
ばれてた
ホント、だめだな・・・・・
兄弟だからつい比べてしまう
ううん、違う
兄弟じゃなくても比べていたかも
一番嫌な事を僕はしてしまったんだ
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
77 / 473