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スタジオに戻ると、和海が迎えに来てくれていた
「楓、心の具合は?」
「うん、転んだらしいけど今週はお休みにした」
「そうですか」
「4針縫ったらしいし」
「相当派手に転んだのですね・・・・・心らしくもない」
「にゃーん!」
「えっ?」
「ふふっ」
「あ、あの・・・・意味が全く」
「でも、俺が暴れずに済んだと言う事でいいんじゃない?」
「では、やはり」
「理由はわからないけど、紅陽が話をつけたみたいだしね」
「そうでしたか」
「と言う事で、マンションはもう必要ないかもね」
「わかりました」
「じゃ、帰ろうよ」
「楓」
「ん?」
「一つお尋ねしても?」
「何?」
「貴方はあの二人に何を望んでいるのですか?」
「何も」
「それは信じがたいですね」
だと思った・・・・・
和海を誤魔化すにはなかなか至難の業だしね
「人間は難しいよね」
「そうですね」
「好きな人が消えても忘れる事は出来ない・・・いつかは悲しみも薄れて好きな人ができるかも知れないけど、それが他人ではない場合は少し厄介かも」
「紅陽の事ですか?」
「うん、でも今の心が紅陽に求めているのは寂しさを紛らわせる人」
「ええ」
「だけど、人の心なんてわからないものでしょ?」
「それはいつかどちらかが好きになるという事でしょうか?」
「どうかな・・・・・心は変に律儀で真っ直ぐだから、その気持ちに気付いた時点で悩んでしまうかもね」
「要するに紅陽次第と?」
「それもまだわからないけどね、だってまだ始まったばかりなんだし」
「そうですね」
「俺は二人がこれから先幸せになれるのなら応援する、ただそれだけ」
「わかりました」
「しゃ、帰ろう」
「はい・・・・・・・あっ」
「いいよ」
「申し訳ありません」
会社からかな?
いつも忙しいのにこうして会いに来てくれるのは嬉しいけどね
和海は急いで携帯を取り出し、少し離れた場所で話をしていた
そして・・・・・
「楓・・・・・」
「いいよ、一人で帰るから」
「申し訳ございません」
「なるべく早く帰って来てね」
「もちろんです」
今回は大した事がなさそうだけど、一度会社に戻らなければいけないみたい
「じゃ、俺は帰るね」
「楓、今車を」
「いいよ、たまには歩きたいし」
「では、寄り道せずに」
「わかってる」
でも、プリンは買うけど・・・・・
和海に手を振って、スタジオを出て歩き出し空を見上げた
今夜は曇りか
雨が降りそうなどんよりとした雲に月が覆われていた
早く帰らないと雨が降り出しそうだね
少しだけ急ぎ足で歩き、プリンを買ってタクシー乗り場に急いだ
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