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撮影は嫌い
色々な注文をつけられるし、フラッシュが眩しい
それに、数ページの為に何枚撮るんだろう
「楓さん、次は俯き加減で」
「・・・・・・・嫌」
「えっ・・・・?」
「嫌」
もう限界
早く帰りたい
プロ失格と言われてもいい
俺はモデルじゃないし何時間も立ちっぱなしで足が痛い
足が痛いのは靴のサイズが合わないからだ
すぐ終わるとか言われて、仕方なくはいたけど何だかんだでもう夜の10時
すぐ終わるの意味を今すぐ知りたい
「もうすぐ終わりますので」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
でも、このまま帰るわけにもいかないし
「お願いします」
「後何分?」
「えっ?」
「後何分で終わるのかって言う事」
「そうですね・・・・もうすぐです」
もしかして俺が悪いの?
カメラ写りが悪いとか?
でも、いちいち中断する度にメイクを直すのは止めて欲しい
別に汗はかいてないし意味がわからない
音楽もないスタジオで無機質なシャッター音ばかり聞いているとイライラしてくる
そもそも何が気に入らないかって、このリボンの結び方と色
気に入らない・・・・・すごく気に入らない
まず、衣装に合わないしね
「楓さん?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
何度か結び直してもらったけど、同じ人だから結び方は同じ
下手とかじゃなくて気に入らない
リボンも別のはないと言われたし
でも、そんな事で暴れるわけには行かない
仕方なく落ち着くために目を閉じた
・・・・・・・・・・・・あっ
和海の気配がする
「楓」
「和海」
やっぱりそうだ
目を開くと、和海が目の前に居た
「おやおや、楓には似合わないリボンですね」
やっぱり和海も俺と同じだ
だから嬉しい
「他にリボンは?」
「申し訳ありません、これしか」
「では、そのセットのレースを買い取りますのではさみを」
「えっ?」
「撮影に影響はないかと」
「わかりました」
渡されたはさみでセットのレースを切り取り、はさみを返しながら言った
「それと、靴のサイズが合っていないようなので今すぐ違うものを」
「わかりました」
和海は俺の言いたいことを全て言ってくれた
「楓、リボンを」
「うん」
「靴も脱いで下さい、足が痛かったのでは?」
「痛いような気もする」
「では椅子に」
「わかった」
そっか
いつも心がチェックしてくれていたからサイズも合っていたんだ
「豆が出来ていますね、痛いですか?」
「平気」
「もう少し早く来れればよかったのですが」
「和海は和海の仕事があるんだから仕方ないよ」
「しかし」
「俺のイライラは和海が解消してくれたし」
「楓・・・・・・」
「早く終わらせるから待っててね」
「はい」
和海の選んだレースのリボンは衣装にもよく似合っていた
そして結び方も上手
「出来ました」
「うん」
「足は大丈夫ですか?」
「うん」
靴も和海が選んでくれたからサイズがピッタリ合っていた
と言うか、最初からこっちを出してくれればよかったのに
「頑張ってくださいね」
「うん」
和海が来てくれたから撮影もすぐに終わった
じゃ、今までのは何だったのかと尋ねたい
多分、俺のイライラした表情が出てたのかもね
「楓さん、お疲れ様でした!」
「お疲れ様」
「では、帰りましょう」
「うん・・・・ん?」
「衣装は買い取りますのでこのまま」
「わかった」
和海に抱き上げられたままスタジオを出た
恥ずかしいと言うより嬉しい
「痩せましたね?」
「そう?」
「ええ」
「気のせい」
「いえ」
すごいな
何でわかるんだろう
「・・・・・・・最近、少し痩せたかも」
「いけませんね」
「でも、ほんの少しだよ」
「ほんの少しでもいけません」
「じゃ、今夜は焼肉食べる」
「はい、ではそうしましょう」
「和海」
「どうしました?」
「焼肉食べても今夜は足が痛くて出来ない」
「・・・・・・・・・・・・私はそんなにやりたがっているように見えるのですか?」
「焼肉ってそういう食べ物じゃないの?」
「違います」
「わかった」
その後、美味しい焼肉を食べてすぐに寝るはずだったけど・・・・・・・
体が疲れている時ってよくわからないけどすごくしたい
今の気持ちを言葉にするのなら、泥のように抱かれて狂いたい
そんな気分
ベッドに入ると和海が優しく抱きしめてくれたけど、何もしてくれない
だから・・・・・・・
「キスをせがむ楓はとても可愛い」
「・・・・・・・・・・・・・・だからわざと焦らしてるの?」
「はい」
「意地悪だね」
「ええ」
そして今度は甘美な疲れで漸く眠る事が出来た
今夜はいい夢が見れそうだね
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