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温もり
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ホテルに着いたのは夜の8時ぐらいだった
つい、話をしていたらこんな時間になっていたなんて
「お腹空きましたね」
「そうだね」
「荷物を置いたらレストランに行きましょう」
「ああ・・・・・・」
「紫陽さん?」
何となく顔色が悪い
「大丈夫、少し休んだらよくなるさ」
「ごめんなさい・・・・僕・・・・どうしてもう少し早く気付け・・・」
「心のせいじゃない、いつもそうやって自分を責めるんじゃないよ」
「でも」
「本当に大丈夫だから」
そう言って、白い皮張りのソファーに座り僕を手招きした
「薬を」
「いいよ、心が一番の薬だ」
「でも」
「いいから隣へ」
「はい」
隣に座り、少し辛そうな表情を見つめていた
「どこかさすりましょうか?」
「いや、このままで」
「はい」
手をしっかり握り締めながら僕は祈った
少しでも紫陽さんが痛みから解放されるのなら、僕の命を削って下さいと
「やはり薬を」
「飲んだら意識が朦朧とするだろ・・・・・今夜は飲みたくないんだ」
「でも」
「心・・・・・私には何も残してあげる事が出来ないけど、せめて私の温もりだけは覚えていて欲しい」
「無理しては駄目です」
「そうしたいんだ・・・・・嫌かい?」
「・・・・・・・・・・・いえ」
その言葉の意味は理解出来た
だけど体が心配で素直に返事が出来ないのも事実
「だから、もう少しだけ時間を」
「大丈夫です・・・・僕はずっと待っていますから」
「ああ・・・・・ありがとう」
「辛そうなので明かりを消しますね」
「すまない」
正直、不安はあった
すごく怖いし経験も無い
紫陽さんの体調を考えれば、何もしないままでもいいと思っていたけど・・・・・僕も本当は紫陽さんを求めていた
体の繋がりが全てではないけれど、求められるのならば求められたいと思った
そっと立ち上がり、明かりを消すと部屋の中が一瞬で暗闇になった
でも、僕にはわかる
紫陽さんがどこにいるのかも全てわかる
そのまままた隣に座り、手を握り締めた
そして目が暗闇に慣れて、紫陽さんの顔がぼんやり見えた
本当に奇跡としか思えない
この綺麗な横顔は僕がずっと憧れていた人
僕には一生手の届かない人だと思っていた
初めて聴いた曲は今でも覚えている
一人の部屋でずっと聴いていたあの頃が夢のよう
突然消えた時は悲しかった
紫陽さん以上の人はいないと思い込んでいたし、いつしか音楽も聴かなくなっていた
でも、僕はまた奇跡の音を見つけた
そう、楓さんと言う奇跡
その奇跡がこうして紫陽さんと巡り合わせてくれたんだ
「僕、紫陽さんのデビュー曲大好きです」
「懐かしいねぇ」
「ずっと好きでしたから・・・・もちろんソロになってからも」
「そうかい・・・・・でも今の私はもうギターを弾けない」
「紫陽さんは僕の憧れです・・・・弾けなくてもそうなんです・・・・」
「心」
「ソロになってからの紫陽さんは本当に輝いていました」
「そうだね・・・・・しがらみというやつも消えたしねぇ」
「やはりあるんですね」
「ああ、楓達や他のみんなが仲がよすぎる方が珍しい事だと思うよ」
「確かに、みなさん仲良しですもんね」
「そうだねぇ・・・・・人間は欲の塊だからねぇ・・・・・・最初は好きで始めた音楽も金に変わってしまうと音も錆付いてしまうのさ」
「みんながみんなではありませんよね?」
「勿論さ、楓を見ればわかるだろ?」
「はい」
「楓はこれから先も変わらない・・・・・ずっとね」
「ええ」
「そして私の気持ちも変わらない・・・・・わかるだろ?」
「勿論・・・です」
優しく抱きしめられて吐息が掛かる距離で紫陽さんが囁いた
キスだってまだ数え切れるほどしか経験が無い
だからすごくドキドキするしどうしていいのかわからない
「そんなに緊張しなくてもいいよ・・・・・力を抜いて」
「は、はい・・・・」
耳元で囁く言葉が体に熱を持たせる
どうしていいのかわからないまま、服を脱がされて押し倒されていた
「綺麗な体だ」
「恥ずかしいです」
「暗いのにかい?」
「もう・・・・暗くてもです・・・・」
「心を乱れさせてあげるよ・・・・・だから全てを私に預けておくれ」
「はい・・・・・全て預けるのではなくあげます」
「いい子だ」
首筋に這わせた舌がくすぐったい
でも、すぐに反応が変わった
どうしよう・・・・ゾクゾクして体が熱い
「んっ・・・っ」
胸元を舌で弄ばれるのも初めてで、体が反応して声が出てしまう
「感じやすい体だ」
「・・・・・・・あっ・・・っ」
指で固くなった胸の先端をつまみ、激しく舌を絡み付けた
「んっ・・・・っ・・・・・んふっ・・・・」
全てが愛おしいと思えてしまう
舌を絡み付けられて流れ込む唾液も全て
長いキスから舌をそのまま這わせ・・・・・・
「そ、そんなところ・・・・・」
「大丈夫だから」
「・・・・・・あっ・・・っああっ!」
何?
舌で包み込むように刺激をされ、もう僕はイキそうで
「紫陽さんっ・・・・もう・・・・」
「いいよ、何度でもイケばいい」
そう言いながら更に激しく刺激をされて
「あっ・・・ああっ!!」
あっけなく・・・・イッてしまった
でも、そのまままた刺激を続けられて敏感すぎる僕のモノは更に敏感になっていた
「ああっ!だめっ・・・・・・まだだめっ・・・・・ああっ!!」
「可愛いねぇ・・・・・本当に可愛い」
「ひっ!・・・・・・いやっ・・・・・おかしく・・・なるっ・・・ああっ!!」
「なればいいさ」
「ああっ・・・・・っ!」
体が魚のように跳ねてしまう
感じすぎて狂いそう
口端から流れ落ちる唾液を指ですくい、その指をそっと中に入れた
「んっ・・・っ」
「痛いかい?」
「少し・・・・でも平気です」
「じゃ、こうしよう」
「えっ?・・・・ああっ!」
指を抜いて、今度は足を持ち上げたまま舌を入れられた
痛いと言うより・・・・・何だろう
恥ずかしい・・・・
「紫陽・・・さんっ・・・・」
「こうしないと心が辛いから」
「んんっ・・・ああっ・・・・っ」
舌が動く度に鳥肌が立つような感じがする
でも気持ち悪いとかじゃない
その逆
気持ちよくても鳥肌が立つんだと知った
「もう・・・・大丈夫ですから・・・・・紫陽さんが・・・・欲しいです」
普通では言えない言葉が出てしまう自分に驚いた
「心・・・・・本当にいいんだね?」
「当たり前です、後悔なんかしません・・・・・絶対に」
「そうかい・・・・・よかった」
優しく絡みつく舌を追いかけながら、背中に腕を回した
とても熱い紫陽さんの体
「愛してる・・・・・心」
「僕も・・・・・・」
そして想像以上の痛みが走った
「いたっ!!・・・・ううっ・・・・」
「力を抜くんだ」
「は、はい・・・・・くっ・・・・いたいっ・・・・」
痛いとか言ってはいけないけど・・・・・
涙が流れるほど痛くて
「もう少し我慢出来るかい?」
「はい・・・・・します」
「じゃ、少しだけ耐えるんだよ」
「・・・・・はいっ・・・・ああっ・・・・いたっ!」
そのまま一気に入り込んだモノの違和感と痛みに耐えるしかなかった
でも、紫陽さんの痛みに比べればこんな痛みなんか大した事は無い
むしろ、同じ痛みを感じる事が出来て嬉しいんだ
「心」
「嬉しい・・・・・すごく紫陽さんを感じる事が出来て嬉しい・・・・」
「そんな事を言うんじゃない・・・・本当に泣かせてしまうだろ?」
「泣かせて欲しいから・・・・・悲しい涙じゃないですよ?」
「ああ・・・・そうだね」
「ああっ!!」
そのまま腰を掴まれ、激しく攻められた
すごく痛いけど、その痛みも忘れるほど僕は紫陽さんの腕の中で溺れるようにして堕ちて行った
気持ちいいとか痛いとかもわからない
でも一つだけわかる事
それはとても幸せだと言う事
「もっと・・・・・僕の体に刻み付けて・・・・もっと」
「心っ・・・・」
ピンと張られていたシーツは波のようにうねり、体は汗で光っていた
そのシーツを握り締めていた手に絡める紫陽さんの指
揺れるたびにキラキラ光る髪
全てが好き過ぎて泣きそうだ
「紫陽さんっ!」
堪らず強く抱きしめたまま泣いた
嬉しいけど悲しくて・・・・いけないのに我慢できなくて・・・・・
そんな僕を優しく抱きしめてくれる優しい人
だから今はこの温もりをこのまま感じていたい
ずっとずっと感じていたいんだ
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