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はぁ・・・・・
自己嫌悪
何であんな事を言ってしまったんだろうと反省する気持ちと、何で紅陽さんは駅まで送りに行ったのかと言う苛立ち
そしてもう1時間以上経ってるのにまだ帰らない
もしかして・・・・彼の・・・まさかね
だけど、遊ぶような友達はまだいないはず
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
すごく嫌な奴に思われたよね
ホント、どうしようもないな
「紫陽さん・・・・・僕どうすれば・・・・」
写真を見つめながら、考えた
紫陽さんの事は今でも好き
だけど、傍にいて話をしてくれる人にどうしても心が向いてしまう
もしかしたら、優しい人から好きな人になるかも知れない
でもね、紫陽さんの事を忘れようとは思わない
「あーーーーっ!!もう」
何を真面目に考えているんだろう
好きになるはずないのに
そうだよ、僕はずっと紫陽さんだけを・・・・・
「ただいま」
帰って来た
そのままリビングに戻り、ソファーに腰掛けた
「おかえりなさい」
「遅くなってしまったねぇ、偶然楓に会ってさ」
「楓さんに?」
「プリンがどうとかって」
「ああ、駅前のギガプリンですね」
「えっ・・・恐ろしい名前だね」
「はい、恐ろしく大きいので楓さん用と僕は認識しています」
「あははっ、そうかい」
「じゃ、今まで楓さんと?」
「ああ、お茶に誘われてさ」
「そうでしたか・・・遅いので迷子になっているのかと」
「さすがに一本道で迷子はないだろ」
「ですよね」
そっか
楓さんと一緒にいたんだ
あれ・・・何で安心しているんだろう
「寒かったでしょ?お風呂どうぞ」
「そうだね・・・・おっと」
こんな時間に電話?メール?
楓さんは滅多に携帯を使わない人だから楓さんではないはず
どうやらメールらしい
じっと表情を見つめ、反応を伺った
短い返事を送ったみたいだ
「さて、じゃお風呂に行って来るよ」
「はい」
「心は先に寝てな」
「まだ眠くないので」
「そうかい、余り無理をするんじゃないよ」
「はい」
反応はわからなかった
メールに目を通して返事を送っただけだし
そしてその携帯はテーブルの上にある
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
すごく見たいと言う気持ちと
そんな事をしてはいけないと言う気持ちに揺れた
ましてや、恋人でもないし他人の携帯を見る事なんて絶対いけない事
だけど・・・・・・
「・・・ひっ!」
驚いた
テーブルに置かれた携帯が突然鳴った
どうしよう
電話なら携帯を持って行くべきなんだろうけど・・・・・メールみたいだし
メールが来ましたよ!なんて言う必要はないよね
そんな事を考えていたら紅陽さんがお風呂から上がって来た
「気持ちよかった~」
「紅陽さん!風邪ひきますよ、髪」
「あ~、いいよいいよ」
「ダメです!面倒なら僕がやりますから」
「馬鹿は何とかって言うだろ?」
「馬鹿でも風邪はひきますから!あっ、紅陽さんが馬鹿と言ったわけじゃないですよ?じっとしていて下さい」
「じゃお願いするよ」
「はい」
ドライヤーで髪を乾かしていると、携帯が光っている事に気付き携帯を手に取った
「あっ、僕向こうに」
「いいよ、気にしなくても」
「わかりました」
そして隠す素振りもなく、メールを開いた
目を逸らすつもりだった・・・・・でも
(風邪ひかないように暖かくして寝てくださいね、ではおやすみなさい・・・・・泉)
紅陽さんはおやすみと返して携帯を置いた
泉・・・・彼に教えたんだ
でも、仕事が同じだから教えてもおかしくはない
「どうしたんだい?」
「紅陽さんの髪は紫陽さんと同じでとても柔らかいですね」
「そうかい?」
「はい」
懐かしい感触だった
泣きそうだ・・・・・
よくわからないけど泣きそう
何だかすごく孤独で寂しい
僕だけ一人みたいで悲しかった
「心?」
「ご、ごめんなさい」
「どうした?思い出してしまったのかい?」
「大丈夫です・・・本当にごめんなさい」
「うちはこんな時、どうすればいいんだろうねぇ・・・・」
「少しだけでいいですから・・・・・抱きしめてもらえませんか」
「わかった」
何を言ってるんだろう
もうわからない
でも、すごく寂しくて悲しかった
「泣きたいのならこうしているから好きなだけお泣き」
「・・・・・・・っ!」
紫陽さんと同じ腕
同じ強さで抱きしめられた
どうして紫陽さんはここにいないの?
僕、どうしていいのかわからないんだ
どんどん嫌な人間になってしまいそうで・・・・・・すごく怖いんだ
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