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最上級の宝物 ーaccidentー
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3校時の学年集会
俺は腹をたてていた
今時の高校生と来たら、整列もできないのか
ザワザワ喋りやがって…
「優、ご機嫌斜めだな」
小声で囁かれて、思わず飛び上がりそうになる
スラッとした長身、凛々しく整った、少し強面な顔立ち、凡庸な俺とは正反対のこの男
これでも、俺の彼氏だ
少しずつ赤くなる顔を隠して、愚痴をこぼす
「いやぁ、生徒たちがなかなか並ばないもんで、小林先生」
嫌味ったらしく言うと、彼は苦笑した
「本当にご機嫌斜めらしい…。優のために、一肌脱いでやるか」
言うなり、彼は大きな声で生徒たちに、並んで座るように言った
彼の強面に大きな声が加われば、生徒たちも慌てない訳がない
バラバラとではあるものの、生徒たちも並び始めた
余計に腹が立つ
俺が言っても聞かないくせに…!
「こんなものでいいか?」
無視して、集会を始めた
携帯をいじる者、眠る者、多すぎて余計にイライラする
なんとか、教師たちで静かに聞かせてはいるが…
大体、聞いてなくて困るのはお前らなんだぞ!
「以上で話を終わります」
担当の先生の話が終わり、また俺にマイクが回ってきた
司会だからしゃべらなきゃいけないが、どうせ聞いてくれないだろうと考えると、ちょっと億劫だ
そんなことを思いながら、喋ろうとすると、マイクの音が入らなかった
視界の隅で、小林先生が瞬時に動いてくれてるのが見える
この前バスケットボール部の練習で腰を痛めてしまっていたのに、動いてもらうなんて申し訳ない…
「最上先生、これを使ってください」
「…ありがとうございます」
あの笑顔…反則だ
それも、最上先生って…
みんなの前で話すときは、小林先生も俺も、いつも名字を使うんだけど、それでさえ、俺には恥ずかしくて嬉しくって…
て、そんなことはどうでもいい!
マイクを受け取り、皆に喋ろうとする…のだが、こいつも音が入らなかった
後ろで小林先生が苦笑してる
まったく…マイク使えないなんて…
仕方ないから地声で皆に話した
「以上で終わります、F組から帰るように」
またブツブツ言う生徒たちを放っておいて、俺は小林先生のもとへ向かう
生徒たちが去ったとたん、彼は倒れそうになった
慌てて支える
「大丈夫ですか」
「ははは…大丈夫ではないな」
「…無理しないでください」
「心配か?」
「…まあ」
言うと、彼は物凄く嬉しそうな顔をした
思わず恥ずかしくて俯く
すると、彼は顎を持ち上げた
「ちょっ…」
「誰も見てやしない」
軽く口付けられる
恥ずかしくておかしくなりそうだ
他の先生方がHRに戻っていってくれてよかった
ほっと息をつく
「バカなことやってないで、俺たちもHRに戻りますよ。D組が待ってます」
「…ふぅ、仕方ないな。行こうか」
仕方ないって、それでも教師かっ!
肩をかしながら、D組の教室へと向かう
髪を弄られたり、首筋にキスされたり、色々されかけて、肩貸しませんよ、と言ったら大人しくなった
まったく…何がしたいんだ
二人して黙って歩く
D組がまだザワザワとしている
声が近づくと、彼は壁に手をつき、俺の手を離れた
必要以上に生徒を心配させないようにしたいらしい
まったく…無理はしてほしくないのだが
そんなことを考えてる俺も俺だと思いながら、D組の副担任としてドアを開け、小林先生に教壇を譲った
「はい、お待たせしました」
遅く始まったHR、手短に用件を済ませると、彼はすぐに出ていった
俺も追うように教室を出る…はずだったのだが
「先生」
呼び止められると、そこには館石がいた
成績優秀でありながら、体育が弱く、だからこそあえてテニス部に入って毎日遅くまで練習している男子生徒だ
俺が顧問を勤めているのもあって、相談に来たんだろう
その証拠に、妙に真剣な顔をしている
「どうした?」
「あの…大事な話があるんです」
「あぁ、ここで聞いてもいいけど、どうする?」
「部活が終わったら、部室に残っててもらえますか?」
「ああ、わかった」
言うと、急いで購買へ向かった
朝コンビニ行く時間がなくて、楽だからと購買にしたのがバカだった…
着いたら、ちょうど、最後の一個が売り切れた瞬間で
「もがみせんせー、ざんねーん」
テニス部部長の相沢が目の前で焼きそばパンを頬張る
今日はついてないな…
相沢と軽く雑談してから、職員室へ向かった
…いや、向かうところで、職員トイレに引きずり込まれた
引き込んだ犯人ははどうせ、小林先生だ
羽交い締めにした主を見ると、ビンゴだった
「悪趣味ですよ」
「何が」
「こんなところで」
「相変わらず可愛いな、優」
「んなっ…」
否定とか、説教とか、できるはずなのに、その唇を奪われたらなにも考えられなくなって、ただ、彼から与えられる唾液を受け取るしかできなくて、恥ずかしくて、愛しくて
「ん…ふ…はぁッ…」
「優はほんと、キスだけでたまらない声を出すな。もっとやりたくなる」
息をあらげていると言うのに、小林先生は愛しそうに俺の瞼にキスすると、去っていった
「…なんなんだ、あの人は」
コンビニまで昼食買いに行って、職員室で食べ終える
書類を整理し、次の授業へ向かった
生徒たちが真面目に(寝ている生徒も何人かいるものの)授業を受けてくれるので、自然と身が入る
わからない生徒には何度も何度も教え、みんなで少しずつ進んだ
このペースなら、なんとか春までにはすべて教えられそうだ
「…はい、では少し早いですがこれで終わりにします」
授業を終えると、また職員室へ移動した
やはり生徒に教えるのは楽しい
聞いてくれない生徒は嫌だが、興味を持ってくれたり、反応してくれるとすごく嬉しくなる
気分も晴れたので、もう一時間は職員室でパソコンを使い、テスト問題を作っていた
俺が担当している学年は二つ
正直まだ一つも作れてないので、真面目な生徒とかに範囲聞かれても答えられない
急いで作らなければ
キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴り、作業の終了を指す…
できたのは、一学年の、半分、のみ
テストは後一週間後だ
…まあ、まだなんとかなるだろう
なんとか現実を見ないふりをして部活に出る
テニスラケットを振ってたら、悪い考えも振り払えた
夢中でテニスをし続けて、遊んで、なんやかんや、楽しい一日だ
日も暮れてきて、ミーティングして解散する
その足で部室に向かうと、館石は既にそこにいた
「あー、館石悪い。待ったか?」
「いえ、大丈夫です。…場所を変えてもいいですか?」
「ああ」
そのまま、館石を追いかけて部室を出ようとしたときだった
いきなり部室に引き戻された
どうせこんなことやる人は…
「小林先生、今忙しいのでイタズラはいい加減に…」
振り返って、心臓が止まるかと思った
小林先生じゃない
こいつは、赤堂…テニス部副部長…
「赤堂…やめろよ」
笑ってなんとか振り払おうとするが、赤堂は俺を羽交い締めにして放さない
後ろから何人もの足音が聞こえ、前からも館石が姿を現した
「先生、捕まえた」
服を脱がされ、皆に押し倒される
暴れても逃げようとしても押さえ込まれたまま、性器を弄ばれ、尻には奴らの指が入った
痛くて…辛い
小林先生にも、挿れられたことはあったけど、こんなに痛くなかった
こいつらは乱暴で、俺のことはまったく気にしない
俺は今、玩具のような扱いを受けてる
こんなの…嫌だ
「なー、相沢ー」
誰かが言う
「最上、ナカすげぇ狭いんだけど」
「あー、ほんとだ。ま、無理矢理広げて突っ込みゃ入るだろ」
広げて…突っ込む?
…そんなことされたら壊れる…
壊れたら…小林先生と一緒にいられなくなる…
暴れていると、館石が目の前に来た
「先生、小林先生と肉体関係は?」
「えっ…」
全身が凍りついた
なんで…こいつが知ってる?
館石の前で…、いや、生徒の前では、ただの先生同士だ
なぜ…
「見てればわかりますよ。僕、こう見えても色々見てるので。でも、肉体関係は見えないんですよね。なので、こうやって聞いてます」
「…お前、に、話す気は、ない!…今すぐ、俺を放せ!」
「ふぅん。まあ、どちらにせよ、頂きますけど。…赤堂先輩。お願いします」
嘘だろ…?
「やめ…あ"っ…」
無口で、大柄な赤堂が、俺の中に入ってくる
そのせいで、俺の尻は裂け、激痛を生んだ
思わず涙がこぼれる
「おー、もがみせんせー、処女失っちまったな。血、ポタポタ垂れてる」
「最上、泣いてる?よほどショックみたいだな」
痛い…怖い…
俺が、何をした?
恨みをかった覚えは…何も…
「先生。もしかして勘違いしてませんか?僕も赤堂先輩も、相沢部長も、他のみんなも。テニス部は先生のことが、大好きですよ?」
「そういうこと。最上、男女問わずモテてんの、知らないの?」
「だから、もがみせんせー食いたかったんだよねー。俺らんとこの部活、女いねぇし」
「みんな最上先生のことが大好きなんですよ」
身勝手なこと言われて、犯されて
散々に弄ばれて
何度も何度ももがいたけど、何度も何度も犯されて、壊されて
館石には…ディープキスまでされた
小林先生にしか、許してなかったのに…
舌を噛みきる力も、もう残ってなくて
それでもすごく嫌で
涙がさらに溢れた
「小林、せん、せ…」
耐えられなくなって、意識を失うのに、そう時間はかからなかったと思う
うるさかった声も何もかもが、闇に溶けていった…
目が覚めると、どこかの部屋の中だった
比較的広くて綺麗な部屋
誰かに持ち帰られたのだろうか
俺の家ではないところを見ると、たぶんそうなのだろう
下半身の激痛のせいで起き上がれないが、とりあえず、辺りを見回してみた
誰もいない
両腕を見てみる
縛られてない
今なら、逃げられるかもしれない
必死に何か掴んで逃げようとするとどこかから扉の開く音がした
反射的に体をこわばらせる
「優、起きたか」
え…?
低くて綺麗な声
優と言う名前
俺を下の名前で呼ぶのは、彼しかいない
「小林、先生…」
泣いた
大泣きした
彼はゆっくりと俺の目の前に来ると、涙を拭ってくれた
「医者に見せたよ、尻のこと。なんとか大丈夫だった」
笑顔で、優しく言われる
でも…俺は、あなたに会う資格がない
俺が気を許したせいで、レイプされて、キスも奪われて
そんなんでどうしたら会えるだろう
どんな顔して会えばいいんだろう
涙が止めどなく溢れた
「小林、先生」
「?」
「…ごめん、なさい。俺…」
「…」
「…俺は、…奴らにレイプされて、尻裂けて…。…館石にはディープキスまで、受けました」
「…優」
「…舌を入れられたとき、本当に嫌で、噛みきろうとしたのに、その力も残ってなくて、なすがままになりました。…俺、最低な奴です」
「…」
彼が呼んでくれた名前も、微笑みも、大好きだった…
でも、もう終わりだ
涙は枯れることなく俺の頬を伝うけど、でも、これ以上、一緒にいちゃ、ダメだ
俺は自分の身を、守りきれるかわからない
ずっとこうやって、迷惑をかけるわけにもいかない
…さよならだ
「…俺、もう小林先生に迷惑かけたくないです」
「…1つ聞いていいか?」
「…はい」
「優は、俺のことが好きか?」
「…それ、は」
「嫌いか?」
「…! なわけないでしょ!…好きです。あなたが、こんなに大切だって、自分でも知らなかったぐらい、大好きです…!」
言うと、彼は笑って、俺の瞼に口付けてくれた
悲しくて…嬉しくて…自分のことがわからなかった
「…俺は、お前のことを、宝物だと思ってるし、自分よりも、何よりも大切にしたいと思ってる。…だから。…もし、俺のことが好きなら、いなくならないでほしい。…俺は、お前が好きだから」
「…小林先生」
…あなたは、ずるい
俺の気持ちを知ってて、そんなこと…
「…俺は穢れてます…それに…自分を…守れるかわかりません…。…それでも…好きでいていいなら…側にいさせてください」
「…お前がいてくれるなら」
ベッドに押し倒されて、ディープキスを受ける
呼吸も苦しくて、辛いけど、それよりも甘美な感覚に襲われる
彼は俺を…愛してくれた
大好きだ
どんなことがあっても、大好きで居続ける
「優、1つ、頼みがある」
「…?何ですか?」
「名前で呼んでくれ」
「えっ」
小林…正彦…
正彦…
なんか…恥ずかしい
でも…いつも、彼は俺を優と呼んでくれる
今回だって、俺を宝物って言ってくれた
応えるべきだ
「…まさ…ひこ…。…さん」
「…ははは。お前はほんとに可愛い」
キスされて、それを受ける
大好きな時間
大切な時間
「優、好きだ」
「…俺もです」
二人で抱きしめあって眠った
すごく温かかった
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