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祈り
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言ってしまいたい。
言ったら楽になるだろうな。
でも、危険だ。
相手がどんな反応を示すかわからない。
どんなふうに言ったら、伝わるのだろう。
俺は、言いたくないんだ、本当は。
何がって、それすらわからない、ただその恐怖から目をそらしたいほどの
だから、それが怖いのだとすらわからないほどの
ただ、心をそらすための無為な行為だけが
俺を苦しめる
苦しめているのに、それをやめられない
やめたら、もっと苦しむから
怖いからだ、ということが理解できない
直視できないほどの怖さだから
怖いのは、本当なんだ
本当ってなんだ?
俺の脳が本当なのか
それとも俺の脳に本当がないのか
君は、危ない綱すぎる
何を信頼すればいいのか、どこまで言っていいのか。
どんなふうに言えばいいのか。
とてつもなく危険なことに思う。
一かばちか。
100%安全な方法でなければ。
言うことは、自分を傷つける。
自分のことを言うことは、自分を傷つける。
恐怖が俺をがんじがらめにする。
自分が正しい道を選んでいるのかわからない。
でも、自分は誰のアドバイスもきけない。
危険だからだ。
俺は祈る。
俺は祈る。
あなたの意志が行われるように、俺は祈る。
俺は綱から手を放す。
取り返したい、いろんなものを。
成就しなかったものを。
そうあるべきであった道を、俺は歩きたい。
もしそうでなかったら、歩くはずだった道を、俺は歩きたい。
いや、それはできない。
もしそうでなかったら、歩くはずだった道、その先にあるところに俺は行きたい。
それならできるだろうか。
それなら。
俺は全てを焼き尽くし。
焼き尽くし。
業火。
俺自身をも全て。
俺の苦しみも全て。
俺の中から苦しみを取り出してくれ。
俺を焼いてくれ、俺を。
この苦しみから救い出してくれ。
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