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空の巣症候群
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僕は、ぽっかり空いた心の空間を、何で埋めたものか迷った。
ほっとしたはずなのに、たまらなく寂しいような気もした。
彼に精神的に依存して、ずっと彼のことばかり考え、掛かりきりになっていたのが、よくなかったのかもしれないと思った。
そして無理やり、自分の行動を変えた。
これがよくなかったのだ、と後から思った。
慣れないことをしたのが。
でも、僕のせいではないと思う。
要因ではあるけれど。
ただ、このことからも、ただ行動を変えるだけでは、うまくいかない、と後日、僕は思っている。
行動や意識のような、表面的な、浅い部分だけ変えるのは、結果が出やすく、変化が表立って見えやすいので、一見効果絶大に見える。
しかし、本当は無意識の世界の方が大きいので、表面だけ変えても、根本的には変化しないと思う。
かえって、無意識と意識がちぐはぐになり、苦しくなるように、僕は感じた。
つまり、僕は、共依存的になっていた自分を変えようと、行動したのだが、それが間違っていた。
行動を変えるのでなく、自分の心を深く探究することが必要だった。
探究というと大げさだ。
ただ、自分の感覚や気持ちをわかるという単純なこと。
タイムラグなく直結で、自分の感覚や気持ちとつながっていること。
ほかに邪魔されていないこと。
僕には、ほかの人なんて必要なかったのだ。
ただ自己と親しむことをすればよかったのだ。
あわててあちこち歩き回る必要などなかったのだ。
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