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天邪鬼
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なのに彼は、こう言った。
だから僕は、怒りのあまり、ぶっ倒れそうになった。
「いや、荷物を取りに来ただけだ。ごめん、何度か電話したんだけれど出なかったから、勝手に入らせてもらった」
なんで、そんなに冷たいんだよ。
よそよそしいんだよ。
僕を見殺しにするつもりなの?
友達じゃなじゃったのかよ。
友達どころか。
そうだろ?
違ったの?
なんだったのさ!
自分で、俺は、そんなに軽々しい奴じゃないって言ってただろう!?
なのに、なんで、そんなに無駄に冷たいんだよ。
その不必要な冷静さ、たまには、捨ててよ。
僕を助けに来てくれたわけではなかったと知って、僕は失望のあまり、苦痛でいたたまれなくなった。
僕は、顔を背けて、弓弦さんの前をすり抜けた。
バスルームに直行する僕の背中に弓弦さんの声が掛かった。
「どうか、したのか?」
僕は答えた。
「何でもない」
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