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「君がキッチンの前で話を聞いているのが分かったから
私はわざと塩酸の話をしたのだ
君は私の言葉を信じ、その水は塩酸で孔雀石の自分は体が溶けると思ったのだろう」
中身はただの炭酸(ソーダ)水
エイラートは青白い顔をふり否定していたがおしまいに大声で泣き出し
困ったカラベラスが離れると代わりにアズルが側にやってきた
「手間をかけるな」
ペッツ博士が近付くとエイラートはアズルにしがみつく
「いやだよ
一生こんなところに閉じ込められて体をいじられたり
見世物にされるなんて」
「変態」
笑うセロジネを博士が睨む
「その姿に興味などない
そう言えばセロジネ、少年になった鉱石はどうすれば元に戻るのだ?」
「戻りませんよ
還元不可の法則です」
エイラートは二度とあの孔雀石には戻れない
吃逆り上げるエイラートの背をアズルが優しく撫で、エイラートもアズルの腕の中で意外や大人しく
傍から見れば二人は仲の良い兄弟のよう
「博士、この子を僕にくださいませんか?」
不意にアズルが申し出、大人たちは面食らった
ペッツ博士は暫く考え込んでいたが、
「カラベラス、私は鉱石のかたちをした人間には興味あるが
人間のかたちをした鉱石には興味を持てない」
「なるほど
よく分かりません」
カラベラスに背を向けペッツ博士はアズルを指差した
「アズル、私が君にあげたのは孔雀石だいいかね」
「はい、」
首を傾げるアズルに博士が続ける
「もしその少年が孔雀石から変化したものであっても
それは石をもらった後で君が勝手にしたことで
我々は一切関係ない
そういうことだ」
アズルが瞳を輝かせる
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