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【プロローグ】惨劇
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目の前に散らばるのは家族の死体。
目の前には剣を握った男が一人。
私の従兄弟である男は、純白の法衣を翻して憎悪に歪んだ瞳で私を見つめていた。
まだ、許さない
男は呟きながら私の髪を掴んだ。
私はとある領主の息子であった。だが、領主である私の父は次男坊であり、領主になるはずのない立場であった。父は領主である叔父の部下として働いていたのだが、叔父とその妻が事故で死んでしまった。
叔父の死後、父が叔父の仕事や地位を受け継いだのだが、正式な領主になった訳ではなかった。何故なら先代夫婦には私と同い年の息子がいたからだ。父は幼い従兄弟の後見人となり、領主代理となった。
最初はどうだったかは知らないが、父は領主の座を譲るつもりはなく、私に跡目を継がせたかった。そこで、父は従兄弟を神殿に出す事にしたのだった。都合よく、従兄弟は神に仕える素質である聖属性の霊力を持っていた。また、父は善政を行っており、周りの大人達は父に味方した。幼い従兄弟を守る奇特な者は、昔から従兄弟に仕えていた執事の少年以外はいなかった。
そして、従兄弟は執事と一緒に神殿に赴いた。父は従兄弟が間違っても出世せずに落ちぶれるように計らった。従兄弟は悲惨な日々を送っていたが、私は気にしなかった。逆に、私よりも事あるごとに優秀だった従兄弟が惨めな日常を送る事に、ほの暗い満足感を感じていた為、積極的に父に協力した。
様々な計略の結果、従兄弟の訃報が届いた時、私は嘆き悲しんだりしなかった。目の上のタンコブのように目障りな存在がいなくなり、清々しい気持ちで喜んだ。 だがしかし、奴は生きていた。教皇の腹心兼愛人として生きていたのだ。
奴は力をつけ、味方を作り、策を張り巡らせ、私達家族に異端の烙印を押した。私が父から領主の地位を受け継ぐ日にやって来た奴は、私を領主の地位から引きずりおとし、私の目の前で両親を殺した。
奴は美しい顔に壮絶な笑みを浮かべて私を引きずる。暗い地下室に連れていかれた私が見たのは、絶叫する妹の姿だった。妹は両親に溺愛され、館から一度も出たことのない深窓の令嬢であった。男と目を合わせる事すら恥ずかしがっていた妹は、美しいミント色のドレスを引き裂かれ、剥き出しの白い脚を股開かれ、鉄の器具に体を不自然な形で拘束され、複数の獣人に犯されていた。
妹を犯す獣人は、下の下と言われる種族だった。豚の容姿に低い知性、旺盛な性欲を誇り、害虫よりも達が悪いと人々から嫌われていた。そんな獣人に代わる代わる犯され、無気味な器具が立ち並ぶ冷たい石室に、獣のような妹の悲鳴が響いていた。
奴は私に囁く
お前の苦痛は終わらない
異端者である私達を助ける者なぞおらず、私の苦痛は始まったばかりだった
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