アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
晩夏の出会い、晩秋のしくじり
-
竹春は、かつての大学の教え子の学生だった美青年、桐生を夏に見かけてからというもの、平静を失っていた。
晩夏の熟れた太陽の下、桐生の連れていた美少年の白いワンピースの裾が、一陣の風でひるがえる。
何も履いていない露わな股。
少年のシンボルを白日のもとにさらされて羞恥する愛人を、桐生青年は、残忍な笑みで見下ろす。
大きな麦わら帽子を押さえる少年の、二の腕の内側が白く艶かしく桐生青年をさそう。
ひざまずき、少年の白いワンピースに頬を寄せ、美少年を愛撫する桐生青年。
竹春は名画を愛するように、彼らの姿を思い返し、夢想した。
そして仲秋の頃、ついに、桐生青年に電話してしまった。
誘いの電話を。
向こうは、こちらの下心など、まるで気づかずに誘いに応じた。
そして、晩秋のある夕べ、二人は、会った。
レストランで食事をし、ワインを味わい、歓談にふけり、さらにショットバーに誘った。
地下の秘密基地のような、バーに、桐生は喜んでついてきたように、竹春は思った。
おそらく喜んで。
終始上機嫌で、話しもはずんだ。
ところが、すっかり酔っぱらってしまったのは、竹春の方だった。
あわよくば、桐生をベッドまで誘おうと考えていたのに。
竹春は、しくじった、と思った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
41 / 85