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父親
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逃げて、しまった。
家に逃げ帰って、自室に飛び込むと
鍵をかけズルズルとへたり込んだ。
せっかく優しくしてくれたのに
でも、変な奴だし
きっと部屋に呼んだのは、そういうことだし
『綺麗だ』
思い出すとドキドキする。
綺麗…、綺麗。
なんで、こんなに。
「…ドキドキ、するんだよ…」
あんな、人間いるんだな
「はぁ。」
そうだ、金を隠しておこう。
箪笥の奥の大きな缶に、金を詰め込んで
隠す。
じゃないと、逃げられないから
「春、いるのか?」
きた。
その声を聞くだけで、体から汗が出る
口を自分で塞いで、ドアから離れる
トントンと優しく叩く音
体が震えるのを、自分で抱きしめる
大丈夫、鍵がある
鍵があるから。
トントン
リズムを刻むように早くなっていく
「〜っ!!」
ドン!
「春、分かってるんだよ?出ておいで、お父さんだよ」
ドン!!ドン
「春、昨日はどこに行ってたんだい?」
体の震えが止まらない。
怖いよ。怖いよ。
少し間があって
ようやく居なくなった?
カチっ
鍵の開く音がする。
こじ開けられる、音が
「ほら、春いたじゃないか」
にっこりと笑う笑顔は、仁とは全く違ってた
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