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春斗を待つby栗橋
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春斗、家に帰ったのか?
桜の木の下で、俺は春斗を待った。
少し向こう側では、花見客が楽しそうに騒いでる。
桜は、蒼先輩との思い出。
フられてしまったけれど、嫌いになれなくて
やっぱり好きだと実感した場所
結局、蒼先輩のことを考えてる。
自分は、愚かだ
あり得ないことに期待して
手に入らないと、駄々をこねる年でもない
なのに、すんなりと諦めることができない
ふと慰めるように桜の花びらが掌に乗った
春斗。
あんなに可愛いらしい容姿で、口が悪い。
でも、本当は誰よりも純粋なんじゃないか?
桜を見て、瞳が輝いて
生き生きと血の通った表情をして
「なにしてんだ、俺」
知り合ったばかりの男の子を振り回して
こうやって、根拠もなく待ってる
おかしくなってんのかな
未来を見てるくせに、諦めてるような気がしてほっとけない
でも、もしここに春斗がきたなら
ちゃんと真っ当な人生を送らせてやりたい
人との出会いに、意味のないものは、ない
そう、俺は信じているから。
俺がきっかけになれば、それでいい。
俺ができることが…
俺を求めてくれる人が、欲しい。
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