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知られたくない3
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「まったく、お前は…」
呆れてる
嫌われてしまった。
なんで?
俺が悪いの?
「言いたい事があるなら、言え」
挑発されるように言われて、腹がたつ
「俺だって、迷惑になりたくなくて!嫌われたくなくて!だから我慢したんだ!
なのに、なんで怒るんだよっ!?たまには俺の気持ちも分かってよ!!!」
みんな、みんな、俺の気持ちなんか知ったこっちゃ無い。
でも、それを仁にぶつけるのはお門違いとは分かってた。
それでも
もう、限界だった。
「分かってる。分かってるから怒ってんだろ」
それでも仁は厳しい顔をしてる
「お前が言わない理由も、助けを求めない理由も分かってる。でも、我慢してお前に何かいい事あったか?」
「そ、れは…仁達に嫌われずにすんだこととか」
「俺は、何も言わない奴は大嫌いだ。自分一人で背負い込んで平気そうな顔をする奴は嫌いだ」
真っ直ぐな視線で、嫌いと伝えられる。
「っ!なんだよ、おれ、が…そうだって、言いたいのっ」
熱いものが目尻に溜まっていく
仁は俺の肩を掴む
「そうだ」
嫌われた。
言っても言わなくても、結局嫌われる
「言ったはずだ、春斗。もっと言葉にしろって。迷惑をかけるから嫌われる?誰がそんな事言った?迷惑だと俺が言った事があるのか?」
確かに、仁達に迷惑だなんて言われた事ない
でも
「それでも迷惑、かけたくなかったんだっ!!
みんなが好きだから、嫌われたくないんだって、なんで分かってくんないんだよっ」
頬がどんどん涙で濡れていく
子供みたいに叫んで、情けない
こんな情けない姿は仁に見せたくなかった。
せっかくできた大事な人、大事な場所
それを簡単に手放したくないと、欲張りな事思ってしまっちゃダメなの?
「俺も同じだよ。春斗の事が好きなんだ。俺の家族も同じだよ。」
仁はいつもの優しい声で言った
「そ、そんなの、嘘だ。俺の事知ったら、嫌いになる」
「ならないよ。」
自信たっぷりに言われて、思わず仁と目を合わせる
「ならない。絶対にありえない。
春斗、話せ、話していい。お前を知りたいんだよ」
優しく、でも強く言われて
我慢、出来なかった
「だって…俺は、父さんと…」
父さんと、関係がある。
何度も、毎日、毎日…
「春斗、大丈夫。言ったろ?お前の味方だって。俺が、お前が嫌がる事した事あるか?」
ない
首を横に降ると、仁は笑った。
「…嫌わない?」
縋り付くように、仁に抱きつく
伝わってくる温もりが心地よくて
「嫌わないよ。辛い事、嬉しい事、全部聞くから、俺はお前の言う事だけを信じる」
もう、ダメだ
辛い、苦しい、助けて欲しい
助けて
吐き出すように、俺は仁に始まりの日を話した
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