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振り向かせたい
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佐知が帰ってくると、また少し花を見て回って
車に乗り込んだ。
「佐知くんは夕飯食ってく?」
仁の態度は全く変わらない。
少し気持ちを動かせたと思ったのに…
「あー…はい」
佐知は佐知で、気まずそうにしてるし
しかもこんなに気まずいのに、佐知は飯食うのかよ
「佐知くんはサッカー部のキャプテンなんだって?」
「そう、ですけど」
「春斗が君が勝つと、嬉しそうに報告してくれるからさ」
うっ
それは本当だけど、今言わなくてもいいじゃん
でも、その言葉一つで、佐知の機嫌が直っていく。
「そっか…嬉しそうに、ね。」
「な、なんだよ。別にいいだろっ!」
「いいよ。超いい。」
なんだよ、突然…
友達が勝ったら嬉しいだろ。
「…春斗、また試合見にこいよな」
「やーだねっ!!」
「なんだと〜」
肩を叩かれて、笑いあう
仁の一言で全て左右されてしまう。
俺も佐知も仁に敵わない
ちらりと仁を見れば、にっこりと笑われる
心臓を矢で射られたように、息が止まる
「く、くるしい」
どうしよう
なんで、こんなにすきになっちゃったんだ
しかも、蒼さんを忘れさせる、なんて言い切って
好きになって欲しい
俺の事を見て欲しい
でもどうやって?
好きになって貰えばいいんだー!?
前途多難な恋
男同士で、歳の差もあって
仁には好きな人がいて。
それでも、振り向かせたい
好きになってもらうんだ。
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